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ランニング・ウォリアー  作者: 0・The Fool
1年インターハイ
11/32

合宿 得た武器

感想頂きましたレフェル様、並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。




 成澤先生の指示に従い、ロードバイクを担いで室内まで来た。


「登坂。ロードバイクのタイヤをこっちと交換しろ。」


 言われた通りタイヤを室内用タイヤと交換している間に成澤先生は固定しないタイプのローラー台を取り出した。


「今日の君の課題はコレの上で走ることだ。」


 とりあえず、三本ローラーにのせて走るがコレがなかなか難しい。ちょっとでもバランスを崩すとすぐに倒れるからだ。


「コレはすごく難しいです。」

「慣れないうちはそうだろう。

だが、重要な技術を得るには三本ローラーの上を走れるくらいのバランス感覚が必要だからな。」


 何度も倒れそうになりながら、その度にともみちゃんや成澤先生に支えてもらいながら、ペダルを回し続けた。

そのかいあって、10分ぐらいなら、支え無しでも走れるようになった。


「山道。お昼よ? 一旦休憩したら?」


 ともみちゃんの言葉にブレーキを握り、ロードバイクを床の上に上下逆さまで置いてともみちゃんに近づいた。のだが、


ツルッ!


 汗で滑ってしまった。


「ったた。」


 鼻を抑えながら立ち上がろうとするとファサと頭に布地が被さり何故か逆三角形が宙に浮いてた。


「…あ、あんたねぇ。」


 真上から聞こえるともみちゃんの声に逆三角形の正体が理解してしまった時、


「何やってるのよっ!!」


 ともみちゃんの鉄拳がボクの後頭部に当たった。




「また、随分とやられたな。」


 岸川君はボクの後頭部のたんこぶを見て苦笑していた。


「また、ドジやっちゃって。」

「まったくよ! 狙ってやってるとしか思えないわよ!」


 ボクの言葉にともみちゃんは怒っていた。


「登坂と八神。」


 食事をしながらボクとともみちゃんを観察していた成澤先生が口を開いた。


「お前達、付き合っているんじゃないのか?」


 成澤先生の問いにともみちゃんは一瞬脱力した。


「な、なんでそうなるんですか!」

「真っ昼間でしかも、私の目の前でスカートに顔を突っ込むから、最近の日本の学生は進んでるなと思ったのだが、違うのか?」

「違います! 断じて違います! コイツと付き合うなんて断じて有りません!」


 付き合ってないのは間違いないけれど、そこまではっきり言われると凹むよ?

 そう思った時、ともみちゃんが机を叩いた弾みで紙コップが机から落ち、成澤先生のレーパンに冷水をぶちまけた。


「あ。すみません。」


 大人の余裕からか、ともみちゃんの謝罪にたいして軽く笑いながら立ち上がる成澤先生。


「大丈夫だ。濡れたのはレーパンと下着だけだ。乾かせば問題ない。」


 答えながらなんの躊躇もなくレーパンと下着を脱ぎだした。

その奇行に硬直しながらも下半身を見てしまうボクと岸川君。


「脱いだらダメ!!」


 どこかから調達したテーブルクロスで下半身を隠すともみちゃんがいた。




「さて、登坂。」


 食事が終わりローラー台の上を3時間かけて走った時、成澤先生がタイヤを元に戻し、山岳サーキットにこさせた。


「君に教えようと思っているのはダンシング。つまりは立ち漕ぎだ。

通常、シッティングの場合は足の力のみでペダルを回すわけだが、

ダンシングの場合は体重をペダルを回す力に使える。

そのため、シッティングでは有り得ない加速や、斜度のキツい登り坂を登れるが、シッティングではペダルにハンドル、そしてサドルで体を固定するわけだが、ダンシングはサドル以外の2点のみで固定される為バランスが取りづらく、疲労も大きい。だが、使いこなせれば間違いなく強力な武器になる。」


 成澤先生は大きな胸をはり宣言した。

 こうしてボクはクライマーとして一段成長出来たと思う。


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