10話:殺伐とした日常はお嫌い?
どうにか仕上げた・・・
今回視点がよくぶれているように思えますが、きっとそんな事はありません。
現在私たち勇者一行は・・・
──とっても重いです。
なんでかって?
そんなの決まってるよ・・・
──若干一名から殺気が漏れ出しているからです。
まぁ・・・私の専属メイドさんなんだけどね!
マジもうやめてくださいお願いします。
笑顔で殺気を出さないでぇ!
重いから空気が淀んで見えるくらい濃厚な殺気出ちゃってるから!!
「おいティナ、お前んとこの従者、さっきから怒ってないか?」
「怒っていると言うよりも、恨みやら嫉妬やらの気もするのですがねぇ。」
デスよねー、無理矢理家出してきた上に勇者の仲間になってるんだもの、それはもうカンカンですよね。
よく手出してないな・・・
いや竜車操ってるのも有るんだろうけれど。
「普段は優しい人なんですけれど・・・」
「よく分からんが、後で謝っといたらどうだ?」
「そうですね・・・、一応しときます。」
と言うか、機嫌取っておかないと連れ戻される。
直ぐに連れてかないという事は監視ということなんだと思うし、実力で家出したから公認されたという線もある。
魔族は実力主義だしね。
──全力でゴマすりしておこう。
私のこの見た目と俺の社会人になって身につけたこのゴマすり技術さえあれば、シャル籠絡も必至・・・
のはずである。
たぶんね!
────────────────────────
流れ流れる事早3時間、私は何もしていなかった訳ではありません。
それはもう甘えに甘え、現在シャルの膝の上です。
え?、可笑しい?何のことでしょうね・・・
いやまぁ、シャルは昔から強情で怒ると一方通行なんですよね、ですから私から歩み寄って、心をゆっくり解していかないといけなかったわけです。
結果、こうなりました。
説明終了!!
お陰様で殺気は霧散し、重々しい雰囲気は消えたのです。ラースとレモさんは相槌だけに専念させました。
そうしないと絶対ラース達だけに敵対していただろうね。
まぁ私には殺気では無く正しくは怒気だったようだけど、違いはそこまでわからない。
どちらにしても重い空気だったし・・・
「さぁ、お嬢様見えてきましたよトゥストゥスです。ちょっとした荷物検査がありますが直ぐにでも入れる筈ですよ。」
良かった、柔らかい笑みだ、本当に良かった・・・
犠牲者ゼロです、任務完了ですよ。
トゥストゥス:昔から産業が盛んで今も進んで改革を行なっている国、小さい店がちらほら見えるが前は無かったそうだ。
最近代わったらしい国王が無理矢理規則を捻じ曲げ、成立させたとの事。
恐らくより多くの商人を集めていこうという目論見だろうと推察するが・・・
──迷子です、助けてください!!
人の通りが多過ぎて引き剥がされた、てかマジで何処にいるんだよ!
「君、少しいいかな?」
私の事か?──衛兵かなこの人・・・迷子センターにでも連れて行ってくれるのだろうか、そもそもそんなものがあるのかさえ、この外の世界初心者たる私にはわからないが。
「君ちょっと、聞いているのか?、おい!」
「貴方は誰ですか?、それと痛いのでもう少し優しくお願いできませんか?」
「これは失礼、私はこの国の衛兵だ、君は何故1人なのかな、迷子かね?」
やっぱり衛兵か、街中のパトロールとはマメな国だなここは、いや人が増えた分警備力を高めているのか。
「お恥ずかしい事にその通りで、この国は今日来たばかりで仲間とはぐれてしまったんです。」
「これはいけない、この近くに派出所がある、来なさい。」
この騒がしい場所よりはいいだろうと思ったのでついて行った。
派出所と言うだけあって交番っぽい感じである、だがこの茶や座っているソファも何処か高級志向に思える、どれだけこの国が潤っているかが窺える。
それと衛兵さんはラース達の特徴だけ教えたらさっさと出て行った、探しに行ったんだろうけれど・・・
私が連絡すればいいだけじゃねと思ったけど、通信魔法は結構高等技術なので変な疑いを掛けられるかもしれない。
事実、前に連絡先を教えてくれた受け付けさんも、渡したのはあっちなのに掛けたら驚いてたし・・・
まぁ、行ってくれた衛兵さんに悪いし寛いでるわけですよ、いやでもね?
「暇なんだよなぁ、これが!!」
──ガチャッ
ん?、衛兵さんもう見つけてきたのかな・・・
にしては早いけど・・・
「煙?、煙幕!?」
敵襲?、なんで、シャルはもう暗殺はしない筈なのに、いやそもそもシャルは私を殺さないし殺せない・・・
じゃあ別の暗殺者、一体何人?、ラース達は無事?
「て言うか今の状況をどうにかしないと。」
煙はモクモクと私を囲んでいく、ちょっとパニックですねぇ。
えっと、風で吹き飛ばすか、でも隙が大きい。
じゃあ、迷わず出口へ、敵が待機している可能性が大きい、窓も敵が複数いた場合を考慮すると・・・
「目を閉じ、敵を迎撃、コレだ!!」
目を閉じ、耳を澄ませ、空気の流れを感じ、神経を尖らせろ。
右に1人、左に1人、正面に1人居るがその後には複数、後ろにも数人居るが待機している。
上下に反応が無いのは探知出来ている。
目は閉じたまま正面に拳を突き出す、hit!
両手を左右に広げ、右手は敵頭部、左手は腕を掴み、前後に投げる、shoot!
「うっ、体が・・・」
ダルい、目を開けると視界が大きく揺らぎ酔ってしまい眩暈がする。
眠気に襲われ、集中力が大きく削がれる。
右肩を掴まれた、投げる。
もう空間を把握出来ない、魔法を行使するにもタイミングが悪いと隙が生まれる。
首に腕を回される、脇に肘を刺す、敵は呻き膝を着いたようだが、膝裏を押される。
バランスを崩され、体を起こそうとするが頭部を床に叩きつけられ脳震盪を起こす。
頭部を押さえ付けられ、力が入らず、体を起こす事は叶わない。
どうやら拘束されている様だ。
視界がブラックアウトしてゆく、最後に覚えていたのは、複数の足音と床のヒンヤリ感、そして・・・
──鏡に写ったティナ・ド・ファルメイルの姿だった
次回、ラース視点でいってみたいですね。(やるとは言っていない
でも出来ればラース視点、でなければそのままティナ視点でいくかもです。
──────────────────────
作者「ティナちゃん割とすぐにやられてるね。」
ティナ「覚醒してないだけですもん!」
作者「アッハイ・・・」




