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小瓶

「あ」

というアズの声と同時に、なにかが割れる音が聞こえた。

寝室のドアを開ける。


「大丈夫!?」


「ひっ」

足元にガラスの破片とちらばった飴玉。

どうやら落として割ってしまったらしい。


「……ヤマダ」

「開ける時はノックをすると、決めたのではなかったか」

不満そうな顔。


「いや、音と声きこえたから何かあったのかなって」


アズが鼻を鳴らす。

「それは」

「緊急時の取り決めをしていなかったな」

「今後は緊急性を感じた場合のみ、事前確認なしでドアが開く……こともある」


「それでよいか、ヤマダ」


「……それは置いといて、とりあえず片付けようよ。危ないし」


「ふむ」

「われは怪我はせぬが、ヤマダが踏むと痛がるからな。われは怪我はせぬがな」


返事はせずに、割れた破片を拾い集めながらきく。


「なんでキッチンの飴瓶がここにあるのさ」

空中に浮いて、くるくると回っていた、ホウキが止まる。


「??」

アズが床の破片を見て、言った。


「『瓶』はもうないぞ」

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