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失敗
「ああ、スイカは失敗かぁ」
枯れた芽を掴んで言った。
「土壌か水気か分からないけど、やっぱりスイカは難しいのかな」
僕の言葉を聞いていたアズが、畑から立ち上がった。
「なんだヤマダ。もうスイカは植えないのか」
指と頬に土の跡を付けて、アズは言う。
「いや、まだ植えるけど」
アズがふんっ、と鼻を鳴らす。
「ならばまだ“失敗”ではないだろう」
「この芽はうまくいかなかった。だがそれで“われがスイカを食べること”に失敗したわけではない」
「過程がうまくいかぬことは“経験”だ。ならば繰り返して損はあるまい」
「なにせ」枯れた芽をつつきながら言う。
「スイカはうまい。あまくて、まるい」
「だから、スイカはおもしろいのだ」
土の付いた頬にえくぼができた。




