第1部(8)力狼丸の晩ご飯とかあちゃのおっぱい
力狼丸が数え年で4歳になると、重量のあるどう猛なイノシシを軽々と持ち上げるほどの力持ちになりました。
「んぐぐっ、んぐぐぐぐっ! どんなに強くてどう猛なイノシシだって、ぼくはこのように真上まで持ち上げることができるぞ!」
力狼丸は、大人であっても恐れているどう猛なイノシシを堂々と持ち上げています。
「このチビめ、おれを持ち上げてどうするつもりだ! 早く下ろせ!」
「とうちゃとかあちゃのためにも、このイノシシは晩ご飯の獲物として仕留めるぞ!」
イノシシは、手足をバタバタさせながら早く下ろせと力狼丸に向かって怒りを充満させながら言っています。しかし、力狼丸もイノシシが貴重な晩ご飯の獲物である以上、山兵衛やおさえのためにもイノシシを仕留めなければなりません。
「え~い! どりゃああっ!」
「ドシ~ンッ! グエグエグエッ、グエグエグエッ…、グエッ…」
力狼丸は、近くにある巨木の幹にめがけてイノシシを強く投げつけました。巨木に強く強打したイノシシは、かなりの痛さに苦しみながら意識を失うと、そのまま目を開けることなく永遠の眠りにつきました。
「わ~い! こんなにでかいイノシシを仕留めたぞ! とうちゃとかあちゃに早く見せたいなあ」
力狼丸は、仕留めたばかりのイノシシを再び真上に持ち上げると、すぐに素早い駆け足で家へ向かって走り出しました。
「とうちゃ、かあちゃ、見て見て! 今日もでっかいイノシシを仕留めたぞ!」
「おおっ、力狼丸くんは大きなイノシシを仕留めるのが得意だからなあ。おれたちが入らないところまで入って獲物を捕まえることもできるし」
力狼丸は、家へ帰ると今日の獲物である大きなイノシシを仕留めたことを元気な笑顔で言いました。山兵衛は、力狼丸が真上にどう猛なイノシシを持ち上げているのを見て目を細めています。
「力狼丸くん、おかえりなさい。今日はどうだったのかな?」
「とうちゃにも見せたけど、晩ご飯の獲物である大きなイノシシを仕留めてきたよ!」
「ふふふ、力狼丸くんはいつも駆け足で狩りに行ったり、大きな滝まで行って滝つぼへ飛び込んだりしても、まだこんなに元気いっぱいだもんね」
力狼丸は、おさえにも自分が仕留めたイノシシを見せています。おさえは、いつも森の中を駆け足で狩りに励んだり、大きな滝の真上から滝つぼへ飛び込んだりして遊んでも、まだまだ元気いっぱいの力狼丸の姿を見ながら微笑んでいます。
「さあ、今日は力狼丸くんが仕留めたイノシシを使って鍋でも作ろうか」
「それじゃあ、鍋の中に野菜や大きなイモも入れようかな。力狼丸くんは、好き嫌いしないで何でも食べてくれるからね」
「わ~い! おイモ! おイモ!」
山兵衛は、土間にある台所へ行くと、力狼丸が仕留めたイノシシを使って鍋を作る準備に入りました。おさえも、鍋の中に入れる野菜や大きなイモを竹かごの中から出すと、それらを山兵衛がいる台所へ持って行きました。
力狼丸は、大きなイモが鍋に入れることを聞くと、足をピョンピョン跳ねながら大喜びしています。力狼丸は、大きなイモを食べるのが大好きであるとともに、好き嫌いをしないで何でもたくさん食べます。
山兵衛とおさえは、自分たちで作ったイノシシ鍋を力狼丸がいる囲炉裏まで持って行きました。
「力狼丸くん、イノシシ鍋ができたぞ」
「野菜もおイモもいっぱい入れたから、たくさん食べてね」
「とうちゃ、かあちゃ、ありがとう!」
力狼丸は、自分が仕留めたイノシシを使って鍋を作ってくれた山兵衛とおさえに感謝の言葉を言いました。鍋にはイノシシの肉だけでなく、野菜や大きなイモも入っています。
力狼丸は、自分ではしを使って、木の器にイノシシの肉や大きなイモを次々と入れていきます。力狼丸は両手がオオカミの手ですが、右手ではしを上手に持って使いこなすことができます。
「とうちゃ、イノシシのお肉とってもおいしいよ!」
「このイノシシは、力狼丸くんが仕留めた獲物だからなあ」
力狼丸は、自分が仕留めたイノシシのお肉を食べながら、山兵衛にとってもおいしいとうれしそうな表情で言いました。山兵衛も、力狼丸がおいしそうにイノシシのお肉を食べているので、にこやかな笑顔を見せています。
「かあちゃ、この大きなイモもおいしいぞ!」
「ふふふ、力狼丸くんは大きなイモをほおばって食べるのが大好きだからね」
力狼丸は、続けて大好きなイモにはしをのばしました。そして、そのイモは力狼丸が開けた大きな口の中にほおばると、とてもおいしそうに食べています。おさえは、力狼丸がおいしそうにイモを食べているのを見ながら目を細めています。
そして、家族3人が囲んで食べたイノシシ鍋は、残さないで全部食べることができました。しかし、イノシシ鍋に使った肉は全体の3分の1程度です。
「イノシシのお肉はまだ残っているから、明日も野菜を入れて鍋を作ろうかな」
「とうちゃ、おイモ! おイモ!」
「ははは、力狼丸くんが大好きなおイモもいっぱい入れてあげるからな」
山兵衛は、明日もイノシシのお肉と野菜を入れて鍋を作るそうです。すると、力狼丸が大好きなイモを入れてほしいと言うので、山兵衛は力狼丸のリクエストに応えてイモを鍋の中にいっぱい入れてあげると言いました。
でも、力狼丸はイノシシのお肉や大きなイモよりも大好きなのがあります。
「かあちゃ! かあちゃ!」
「力狼丸くん、どうしたの?」
「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」
力狼丸は、おさえのところへ行くと、そのままお尻をぺたりと座りました。そして、力狼丸はおっぱいが飲みたいと元気な声でおさえに言いました。これを聞いたおさえは、いつものように着物からおっぱいを出しました。
「チュパチュパチュパ、チュパチュパチュパ!」
力狼丸は、おさえのおっぱいを口に入れると、そのままおいしそうに飲み始めました。生みの親であるミキエと育ての親であるおさえからの愛情のおかげで、力狼丸は力強く元気いっぱいに成長しているのです。
「これからも、かあちゃのおっぱいをいっぱい飲んでがんばるからね!」
「力狼丸くんは、あたしのおっぱいだけでなく、オオカミのおっぱいもいっぱい飲むのが大好きだもんね。これからも、おっぱいをいっぱい飲んで強い男の子に育ってね」
力狼丸は、おさいのおっぱいを飲み終えると、両腕に力こぶを入れながら元気な笑顔を見せています。これを見たおさえも、力狼丸がおっぱいをいっぱい飲んで強い男の子への成長に期待しています。




