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オオカミっ子!力狼丸くん  作者: ケンタシノリ


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第2部(2)力狼丸の初めての戦い

 力狼丸は、滝つぼで取れたばかりのイワナを両手で持ちながら、滝つぼの入り口まで戻って地面へ上がりました。

 「わ~い! このイワナを早くとうちゃとかあちゃに見せたいな」

 力狼丸は、滝つぼの入り口付近にあった笹で串を作ると、その串に2匹のイワナを刺してから左手で持ちました。そして、力狼丸は家へ戻るために、駆け足で走り出そうとしました。

 すると、森の中から何者かが素早い速さで力狼丸に襲いかかってきました。

 「おめえを始末して、頭骨を魔除けとして売りさばくのさ、ふはははは!」

 「おめえをこの場で打ち首にして火で燃やせば、すぐにでも頭骨が手にすることができるからな、ふはははは!」

 「うわっ、うわわっ!」

 力狼丸の目の前に現れたのは、刀を持った2人組の武士です。武士たちが力狼丸を見つけると、いきなり腰の帯に差している刀を抜いて切りつけてきました。しかし、力狼丸は地面に尻餅がつきながらも、辛うじて武士たちの奇襲攻撃をかわしました。

 「ちっ、うまくかわされたか」

 「だが、これはどうかな。うりゃああっ!」

 武士たちは、自分たちの奇襲攻撃をかわした力狼丸を鋭い目つきで見ながら、吐き捨てるように言いました。そして、武士たちは2人がかりで力狼丸を切りつけようと、刀を振り下ろしました。

 「そうだ、ぼくにはこれがあったぞ! あいつらにこれを食らわせてやるぞ!」

 力狼丸は、武士たちが刀を振り下ろすと、真上へ素早いジャンプをすることでかわしました。地面に着地した力狼丸は、再び武士たちの真上へ向かってジャンプしました。そして、力狼丸はジャンプしながらお腹に力を入れています。

 「あのチビめ、ちょこまか逃げやがって!」

 「わわっ、おれたちに向かって飛んできたぞ! 何をするんだ!」

 「ぎゃああああっ! おれの顔に何回も爪で引っかきやがって!」

 力狼丸は、小さい体ながら軽々と武士たちの真上へジャンプすると、自分のオオカミの手から鋭い爪を伸ばしました。そして、武士たち2人の顔に何回も引っかき続けました。力狼丸に顔を引っかかれた武士たちは、引っかき傷があまりにも痛くてのたうちまわっています。

 「よくも、ぼくにいきなり襲いかかってきやがって! 絶対に許さないぞ!」

 力狼丸は、地面に倒れ込んだ武士たちの目の前に立ちながら、いきなり刀を使って襲い掛かってきた武士たちを絶対許すことはできないと言い切りました。そして、あえて敵の前に背中を向けながら、力狼丸はしゃがみました。

 「ふははは…。おめえはバカだな、敵に後ろを見せながらしゃがむとは…」

 「あのチビめ、自分から地獄へ行くことを選ぶとは…」

 「え~い! プウウッ! プウウウッ! ププウウウウッ!」

 武士たちは、力狼丸が自分たちの前で背中を向けたのを見ながら、不気味な笑みを見せました。これは起死回生のチャンスと言わんばかりに、武士たちは再び立ち上がろうとしました。

 そのときのことです。力狼丸は、武士たちにでっかくて元気いっぱいのおならを3回続けて命中させました。

 「うわっ、すごいおならをしやがって…。くさっ…」

 「おれたちの前でくさいおならを命中しやがったな…」

 「えへへ、ぼくの必殺技はちょっと恥ずかしいかな。昨日の晩ご飯で大きなイモをいっぱい食べちゃったから、元気なおならがいっぱい出ちゃった」

 武士たちは、鼻をつまむほどのくさいおならのにおいで立ち上がることができません。力狼丸は、昨日の晩ご飯で大きなイモをたくさん食べたこともあり、でっかい音がするおならを3回も続けて出たことを照れた表情で言いました。

 「これがとどめの一撃だ! え~い!」

 「いたたたたたっ! やめろ! やめろやめろ!」

 「おれの背中に爪で引っかきやがって…。いたたたたっ! いたたたたっ!」

 力狼丸は、自分のおならが命中して、地面にのたうちまわっている武士たちの背中が見えるのを見計らいました。そして、力狼丸は再び指先の鋭い爪で武士たち2人の背中を着物の上から何度も引っかき続けました。

 武士たちは、鋭い爪で引っかくのをやめろと叫びましたが、力狼丸は引っかき攻撃を緩めることはありません。こうして、武士たちの体にはものすごい引っかき傷が生じるとともに、想像もできないほどの激しい痛みをで地面を転げ回っています。

 「くそっ、おぼえてろよ! 次に会ったときには、おれたちの仲間を連れておめえを徹底的に始末するからな!」

 「ただで済むとは思うなよ! おめえみたいなチビには、この刀でズタズタに切り刻んでやるからな、覚悟しておけよ!」

 武士たちは、痛々しそうな表情を見せながら、力狼丸に向かって恨みつらみを吐き捨てるように言い残して去って行きました。

 「うわ~い! いきなりぼくを襲ってきたやつらをやっつけたぞ!」

 力狼丸は、突然襲ってきた武士たち2人をやっつけたので、足をピョンピョン跳ねながら大喜びしています。そのあどけない表情は、かわいくて元気いっぱいの4歳児の男の子そのものです。

 「早く家へ帰って、このイワナをとうちゃとかあちゃに見せるぞ!」

 力狼丸は、笹串に刺した2匹のイワナを左手で再び持つと、素早い駆け足で家へ向かって戻って行きました。

 しかし、力狼丸を狙っている刺客は武士だけではありません。森の中に潜む見えざる影が力狼丸を始末するべく狙っています。どんな手段を使ってでも、力狼丸の頭骨を手に入れようと刺客たちは身を潜めながら攻撃のチャンスをうかがっているのです。

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