株式投資って、株を買わないといけなかったの?
「株を・・・買うって・・・」
いきなり私を地獄に突き落とした目の前の窓口のお嬢さんは、キッとした目で私のほうを見ていた。てっきり、入金した10万円に利息がついているものと、思っていた私にとって、目の前のお嬢さんが悪魔にしか見えなかった。そして、言葉を失っていた私にその悪魔は襲い掛かってきた。
「購入されていませんね。」
「あ・・はい・・・」
そんな言葉しか出ない私に、彼女は、更に地獄へ突き落とす言葉を発した。
「でしたら、お預かりしました資金は、そのままです。」
「えっ?そのままって・・」
そのままって一体どういうことよ!!・・・だいたい、株式投資は○○証券にお任せってテレビCMでもやっているでしょう!!それが、何もしていないってどういうことなのよ。そんな焦りが私をプチと小さくキレさせた。
「どういうことよ!!あのテレビCMはウソなの!!」
「お客様、どうかなされたのですか?」
私の言動に驚いた、受付さんは、ビックリしたんだと思うんだけど、ここで引き下がってはいけない!!だって、私の10万円を預けたのに何もしてないなんて許せない!!
「先週、お金を預けたんですよ!!どうなっているのよ!!何もしていないなんて」
あんまりにも怒っている私に男性の方が駆け寄ってきた。
「お客様、どうなされたんですか」
「お金を預けたのに何もしてないってどういうことよ!!」
「お客様、落ち着いてください」
男性の方が私の横まで来て、言ってくれるのはいいんだけど、落ち着いてる場合じゃないわよ。そこへ窓口の女性と同じことを言ってきた。
「株を購入されていないのなら、あなたのお金はそのままです。」
「それって、あなた方が、何もしていないってことでしょう?」
男性の方もものすごく困った顔をして、言ってきた一言が私の思考をとめた。
「お客様が株を買うことを指示しないと私たちは動けないんですよ」
私が?
指示するの?
思考が停止いている状態を理解した男性の方は、すぐに私を別の応接室へ連れて行ってくれた。そして、目の前には、すっと、お茶が出てきた。
「まあ・・・とにかく・・・落ち着いてください・・・」
そして、お茶をすすって、落ち着いた時、その男性が、丁寧に説明をしてくださったって・・・その内容を聞いていると恥ずかしくって。顔がものすごく熱くなってきた。しまいには、脂汗まで・・・・
とんでもない赤っ恥をかいた私は、しばらく、動くことができなかった。するとその男性の方が、こういってきた。
「手始めに小額で購入できる株の購入からはじめられては、いかかですか?」




