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第299話
「宰相閣下、引き続き、爵位の申請が来ております」
「それらは最終的には陛下へ奏上することになるんだがな……」
言いつつ、どんな申請かと目を通す。
「先の戦での戦功の褒賞だな。この人は男爵に、この人は勇士団員でいいだろう……」
そういう風にさっさと決めている中で、おや、とルイスは一人の人物に目を止めた。
「この人も、そういえば今回活躍したのだな」
その人の名はエンディケール・ブニークト。
彼はルイスがまだ勇士見習いだったころの勇士団員の先輩だった。
もともとエンディケール男爵の長男としていたが、今はその爵位を継いで、エンディケール男爵本人としているようだ。
戦功褒賞として男爵からの陞爵の申請らしい。
「ふむ……」
私心がないといえばうそになる。
通常であれば男爵から上がるわけだから一つ上の爵位である子爵位とするべきだ。
だが今までお世話になっていた人物だ、さらに色を付けてもいいかもしれない。
ルイスはそう考えた。




