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同じ時刻、中山宅は――、
美有が原因不明の胸騒ぎに怯えていたその同じ時刻。
美有の家から数百メートルほど離れた場所にある、中山健人の自宅――中山宅では、恐ろしい悲劇がまさに幕を開けようとしていた。
1階の台所の片隅。
古くなった電気コードから、パチパチと小さな火花が散った。
それは本当に小さな、誰の目にも留まらないほどの火花だった。
しかし、運悪くその近くには、古新聞や乾燥した段ボールが積み上げられていた。
火花が紙の一片に燃え移り、小さな赤い炭火を作る。
そこから立ち上った細い煙は、夜の闇に紛れて誰に気づかれることもなく、静かに、確実にその勢いを増していった。
「……ん……?」
2階の自室で、ベッドの中で眠っていた健人は、奇妙な息苦しさを覚えてふと目を覚ました。
部屋の空気が、なんだか妙に熱い。
それに、喉の奥がチクチクと刺すように痛む。
(なんだ……? エアコンの調子でも悪いのか……?)
まだ半分眠りの中にいる頭でそんなことを考えながら、健人は上半身を起こした。
その瞬間、部屋のドアの隙間から、異常なまでの『赤さ』が漏れ出しているのが目に入った。




