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能力を無効化する能力
健人の能力が開花した。
それは、いかなる超常の力をも強制的にリセットし、ただの物理現象へと引きずり下ろす――『能力を無効化する能力』。
あの放火魔の炎に対抗するため、健人の絶望と殺意が5年の歳月を経て生み出した、究極の対抗手段だった。
「私の能力が、効かない……? 馬鹿な、そんな理不尽な能力が――」
動揺する雫に対し、健人はゆっくりと立ち上がり、再び黒い銃口を真っ直ぐに定めた。
その瞳には、完全な冷徹さが宿っている。
だが、関西の「最強」たちもさるものだった。
ボスの大村心人は志人の猛攻を笑いながらいなし、大滝魁は市川の刃を受けながらもさらに重力を強めていく。
健人が能力を覚醒させ、雫の液体を無効化し始めたものの、雫もまた優れた頭脳で即座に物理的な瓦礫の投げつけへと攻撃を切り替え、一歩も引かない。
能力の覚醒は勝負を決定づける一撃にはならず、むしろ戦況を完全な拮抗状態へと持ち込んだ。
夜の闇が完全に下り、瓦礫の街を火災の炎が不気味に照らし出す。
一瞬の油断が死を招く極限の一対一の勝負。
お互いの意地と力がぶつかり合い、誰も退くことのない死闘は、終わりが見えぬまま、更なる長期戦へと突入していくのだった。




