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生きる意味  作者: カセージン
第三章
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激戦、苦戦

かつてない激戦、そして苦戦だった。



健人は真っ先に地を蹴り、ボスの心人へ向けて銃撃を放った。



しかし、それを遮ったのは大滝魁の重力障壁だった。



「オラァッ!」



魁が手をかざした瞬間、健人の周囲の重力が一気に膨れ上がる。



「くっ……!?」



野球で鍛え上げた健人の強い足腰をもってしても、地面に叩きつけられそうなほどの強烈な圧力が全身を襲う。



動きが鈍った健人の足元へ、すかさず岡村雫が指先から放った強酸の液体が迫る。



アスファルトがシュウシュウと音を立てて溶けていくのを、健人は間一髪で横へ転がってかわした。



一方、志人と市川のコンビも、心人の引き起こす突風と地割れによって足場を奪われ、連携を切り裂かれていた。



「どうした志人! その程度かよ!」



心人が笑いながら手を振るたびに、周囲のコンクリートの破片が弾丸のような速度で飛んでくる。



市川がナイフでそれを叩き落とすが、破片の数が多すぎて防戦一方に追い込まれていく。



これまでの仕事では、圧倒的な実力で相手を倒してきた健人たちだった。



けれど今回の相手は『能力者』の最強三人衆。



個人の技術の高さだけでは補いきれない、圧倒的な特別な力の前に、健人たちは確実に体力を削られ、窮地に立たされていた。



全身に擦り傷を負い、呼吸を乱しながら、健人は再び立ち上がる。



(強い……。だが、ここで負けるわけにはいかない)



脳裏をよぎるのは、5年前に我が家を焼き尽くした、あの放火魔の茶髪の女の姿。



あの圧倒的な『能力』に対抗するため、自分は闇に身を落とし、戦う技術を磨いてきたのだ。



ここで立ち止まるわけにはいかない。



「ハァ……ハァ……市川、大村。一回、あの大男の重力を崩すぞ」



健人が煤まみれの顔で、冷たく、けれど確かな闘志を宿した目で二人に告げた。

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