↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生きる意味  作者: カセージン
第二章
PR
14/61

二人組の男

同時に、健人の身体が、前方から歩いてきた何者かと激しくぶつかり合った。



ドン、と鈍い衝撃が走り、足を痛めていた健人は、数歩後ろによろめいた。



「チッ……」



健人は忌々しげに舌打ちをし、鋭い目で相手を睨みつけた。



そこに立っていたのは、二人組の若い男性だった。

体格からして、中学生くらいだろうか。



しかし、彼らがまとっている雰囲気は、普通の中学生とはかけ離れていた。



夜の闇よりも冷たい気配。



そして何より健人の目を引いたのは、二人の手元で鈍い銀色の光を放っているもの――本物の「銃」だった。



中学生ほどの少年二人が、この夜の闇の中で本物の銃を手にしている。



異常な状況だった。



けれど、すでに悪魔へと変わり、狂気に足を踏み入れている健人にとって、相手が銃を持っていようがいまいが、どうでもよかった。



今の健人にとって、自分の行く手を阻む者はすべて、排除すべき敵でしかなかった。



「……どけ」



健人は低く、地を幾重にも這うような声で言い放った。



ぶつかった中学生の片方――整った顔立ちをしながらも、その瞳に一切の生気を感じさせない少年が、静かに健人を見下ろした。



彼は服についたホコリを払うような仕草をしながら、冷静に、そして驚くほど大人びた口調で口を開いた。



「随分と血気が盛んな子供だ。放火の被害者、といったところか。命からがら逃げ出してきたにしては、少々礼儀がなっていない。俺たちは、ただ道を歩いていただけで、先にぶつかってきたのはお前の方だ」



その口調には、この年代の少年たちがよく使うような、虚勢を張ったチンピラらしさは微塵もなかった。



大声を出すこともなく、まるで人生を何周もした大人のように、淡々と、理路整然と言葉を紡いでくる。



けれど、家族を殺され、復讐の鬼と化している健人に、その言葉を受け入れる余裕なんてなかった。



「うるさい……どけって言ってるんだ!」



健人は叫ぶと同時に、地面を強く蹴った。



野球で鍛え上げた強靭な足腰と、人一倍の運動センス。



それが、怒りのアドレナリンによって限界を超えていた。



健人は右拳を固く握り締め、目の前の少年の顔面に向けて、弾丸のようなストレートを突き出した。



「おっと、話が通じる相手ではないらしい。市川、少し黙らせるぞ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。