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能力者
健人の瞳の奥に、一瞬で狂気じみた光が灯る。
今、この女は何と言った?
ショー? 殺戮?
「これ、お前がやったのかよ!?」
地を這うような低い声で、健人は吠えた。
喉がちぎれそうになるほどの怒りが、恐怖を塗りつぶして全身を駆け巡る。
茶髪の少女は、健人の凄まじい剣幕に怯えるどころか、さらに嬉しそうに目を細めた。
「……ええ、私がここを放火し、君の家族を殺した」
あっさりと、まるで今日の天気を話すかのような軽いトーンで、少女は己の罪を認めた。
その瞬間、健人の頭の中で何かが音を立てて完全に切れた。
「……お前!!」
健人は足の痛みも忘れ、地面を蹴った。
泥だらけの手で、目の前の少女の首を締め上げてやろうと、獣のように飛びかかった。
しかし。
少女は一歩も動かず、ただ退屈そうに指先をパチンと鳴らした。
ドンッ!!
「がはっ……!?」
健人の身体は、少女に触れることすらできなかった。
まるで見えない壁に衝突したかのように、凄まじい衝撃と共に後ろへと吹き飛ばされたのだ。
アスファルトの上を何度も転がり、胸を強く打って息が詰まる。
「おっと、そんなことしていいのかな?」
少女は哀れむような目で、地面に転がる健人を見下ろした。
「私はこの世界でも希少な『能力者』よ? 一般人が私に勝てるはずないじゃない」




