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第8.5話 無能な少女
「荘民風情が、私達に歯向かうとでも!?」
「貴女みたいな荘民が魔法使いになれるとでも?」
私は二人の貴族令嬢に近くの壁に押し寄せられていた。本当に嫌だ。一人の令嬢は扇子で私の頬を叩いて、私を地面まで落とし込んだ。
焼けそうな痛みが一瞬で頬を襲う。多分、血が出ていると思う。というか、もうどうだって良い。
何故お父さんとお母さんは私をこのアル・ハイゼン学園に送り込んだか、全く理解できない。
何の返事も返せず、無言に終わった私を虐めている二人の令嬢は飽きたみたいで、校舎の裏から離れていた。
見届けた私はついつい涙目を垂らしてしまった。つい先まで魔法を訓練したものの、ちょっかい手を出され訓練が失敗に終わった。
ーーー否、むしろ最初からできなかったのだ。
私は再び杖を握って、立ち上がっている。
目の前に藁があって、私は藁に向けて呪文を唱える。
だが、詠唱をしたといえども、杖から何の反応も無かった。
何も感じられないからだ。教師からは詠唱をする度に絶対に体の底から魔力を感じ取れる。
しかしながら、私には無いのだ。
魔法の才能があったらなぁ、と心底から魔法ができるものに羨ましく始めた。




