第18話 「もう……死にたい」
今回はとても重要なシーンになってます。もし良かったら最後まで読んで下さい!
魔法戦隊スタームーン。
主に魔法を駆使して、世界に現れる度に必ず多大な損害を与える。
言い換えたらテロ組織と言えよう。俺の知識が正しければ、五百年ずっと存在し続けるテロ組織で、一人だけでも膨大な力を所持してるという話しだ。
そして今がまさに、眼の前に『ブルー』と名乗っている魔法戦隊スタームーン一員が突如と現れた。
「俺は君たちに会いたかったよ、俺の玩具たち。嫌、玩具はアンジェリカだけでいいか。後で俺とあれこれやろう。今は…」
「随分とペラペラ喋れるのですわね。これが
魔法戦隊スタームーン?現れる度におかしい自己紹介をすると耳にした事がありましたが、それはどうですの?」
せめてだけでも時間稼ぎにソリハの足元に凍る氷を解かねば。俺…私はは小さい声で詠唱する。
「いやはや、そういう印象があったのかい?これはデレるねぇ〜」
「えぇ、ありましたよ。毎回名乗る度に後ろに爆発も絶対あるとか」
「あぁ、あれね。でもカッコいいじゃないか?まさに名乗りには相応しいと思うが」
もう少しで氷が溶ける。私はできるだけ魔法をソリハの足元に向かせて、いち早く溶かす。
「と、俺がこの時間稼ぎに乗っ取るとでも思ったか?」
「くっ」
チッ、しまった!
魔法が吸い込まれるように、氷の魔法を溶かす術が解かていた。瞬時に怯えるソリハは悲鳴を出して、喚き始めた。
「い、いやぁぁぁ!!!し、死にたくない!助けてぇ!!」
こっちが魔法の詠唱をするが早いか、氷漬けの魔法の方が圧倒的に早い。
走れないソリハは地面に倒れて、私の手を掴んで助けを求め始めた。
「わ、わたし、死にたくない。助けて、アンジェリカ!!」
「今やってる!」
絶望の最中で悲鳴の声を上げる民、何より友人と思いたい人から助けを求められても、敵の魔法は私のより遥かに早い。
「あはは!良いぞ!良いぞ!遊ぼうじゃないか!お前の魔法が先に溶かすか、俺の魔法で先に氷漬けるか、どっちが優勝するか、試そうではないか、この世の異端者!!」
さっきから話が訳わからない。世界の異端者?
それって私の事を云ってるなのだろうか?しかし、今は考える猶予は無く。
私はありったけの魔力でソリハを助け出さねば。
友人が涙を溢し、気づいたら彼女に施される魔法は背中まで届いた。
お願い、神様。私の友人を助けて下さい!
「はぁぁっー!!!!!」
「おほほほ!!!」
突然舞台には人影が飛び込んで、白い服を纏いつつ、剣を駆使してブルーの手を切り裂く。
「お兄!!いや。アンジェリカ!早くして!」
私が魔法を酷使しながらその人影に瞳を向けさせる。
唯一、私(俺)にお兄と呼ぶのが妹シズクだけだから、正体が直ぐに分かった。
あれは剣や魔法を酷使するシズクだ。
「何をやっている、ぼやいてる暇は無いよ!」
「おほほ!!あはは!!新しい玩具が来たようだ!!」
「チッ、舐めてやがる!」
シズクは距離を保ちつつ、自分の剣を器用よく相手へと突き刺す。
だが…確かに、今は戦闘を見るよりも、泣き喚くソリハを救出するのが妥当な判断だ。
よって、私は一旦目を離して、ソリハの救出に集中する。
「何で…私の人生はこうなるの?」
涙目を垂らして、ソリハは内心からの言葉を吐く
「魔法は使えないし、無能で、いつも零点で、何で私は生きてるの!?魔法は素晴らしいって思ってるのに!!」
「話は後でしましょう…今は貴女の救出が最優先なのです!」
「いやよ!むしろここで死なせて!わたしは……さっきまで魔法が素晴らしいものだって思ったのに、改めて考えれば、わたし、無力だよ。せめて最後は魔法で殺されたい!」
「何ですって?」
私は魔法の使用を諦めず、ソリハの内側から放たれる言葉に耳を傾ける。
「だから、わたしは…いつも虐められた。無能者だから」
返せる言葉も無かった。まさかソリハには虐めを受けるなんて、思いもしなかった。
ソリハは私の手を退かせて、顔を俯かせた。
「もう……死にたい」
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