第16話 魔法に憧れる少女
王都の北部にあるターミナルの近くの宿に、わたしは自分の荷物を運んで来た。
三日間が経過し、わたしはアル・ハイゼンの寮から追い出さたれた。無理もない、実際わたしはもう学院の女学生でもなんでもないからだ。
ターミナルで予約した切符は明日のもので、流石に泊まる場所は必要だ。
宿に荷物を運んだ次第、わたしは寝台の上に横になりながらおでこに手を当てる。
この三年間の記憶を想起して、ろくな成果は成し遂げられなかった。挙句の果てにわたしは虐め対象になってしまった。
魔法学院に進学したものの、何故か失敗に終わった。
自分の感情や思考で、わたしはつい涙を垂れ流す。
「…魔法使いに…なりたかったな」
本当に何故自分は魔法使いの道を歩んでいるんだろう?魔力を持たないし。本当にろくでもないときだった。お父さんとお母さんにはなんて言ったらわかってくれるだろう?きっと悲しむのだろう。
わたしは涙を拭いて、寝台から下りる。
一人でいてしまうと、わたしはろくでもなく、心情が複雑になるだけだから、散歩がてらに気分転換をしよう。
◇◇◇
宿屋とターミナルはスラム辺境と近いから、わたしはボロボロなスラム道路をくぐり抜けて、街の中心まで歩いた。かなり距離はあったのだが、少なくともスラム辺境にある宿と馬車の切符のお値段は格段と安いから、スラムのあたりを選んだ。
無論、お小遣いが少しずつ無くなるのが主な原因だ。
今は夏だ。日差しがわたしの肌に貫いて、汗まみれになっている。一応、熱中症にあたらないために、ひと袋の水を持ち歩いているが、猛暑でさすがに暑苦しい。
「おっと、失礼しました」
「い、いえ…」
暑い最中、頭をくらくらとするわたしはついついローブを纏う人にぶつけてしまった。
だが、相手はまるで自分をあまり気にせずでいた。
わたしも気にする必要はないし、街の噴水まで行った。
子供が遊んでいる声がどこにでも聞こえて、様々な人が集う公園の場みたいだ。
実のところ、人目がつきやすいこの場所はかなり苦手ではあるが、今はいいと内心に聞かせる。
どうせ最後だから、街の様子ぐらい見に行こうではないかと。
「ワンワン!」突然、子犬の声が聞こえている。
「こら!すみません。ソーセージがうちの子で食べれられて」
「あ、いいえ…大丈夫ですよ。可愛いわんちゃんですな」
わたしは何故か青髪の男に目を奪われてしまった。どうやら、男の食い物が犬に食べられたようだ。
もっと辺りを散策していこう。
わたしが数分歩いたら、ある豪奢の王城が目に焼き付いた。王城は白いを基調として、遠くから眺めてみれば、非常に美しい城だと思った。七つの柱があって、遠くから見れば、その柱は王城を囲んで見える。
「おや、ソリハさん。奇遇ですわね。ここで何をしていらっしゃるのですか?」
わたしがお城の眺めに夢中になっている際に、わたしの名前が呼ばれた。
「…へ?」
呼び声に応えて、視線を傾けると、わたしは目を丸めた。
それはフードを被る第一王女、アンジェリカ・ビン・カワリズミであった。
◇◇◇
王都の喫茶店にて、わたしはまた第一王女からお茶会に誘われて、静寂な喫茶店へと誘われた。
王女様は優雅とした姿勢で紅茶を啜り飲んだ。
ただ、気になってるのは、王女様は何故か一人で街の散歩をしている。
わたしは相変わらず、ティーカップに手を触れさせず、王女様の前に沈黙した。
「いつ出発するのかしら?」
話題を入れたのが、アンジェリカ様だった。彼女は魔法ができて、成績が良くて、第一国の王女でもある。そんな完璧すぎる彼女の前にして、わたしはオドオドと話す。喉からもあまり声が出ない。
「……明日…です」
「そうでしたか」と返すアンジェリカ様。
だが、数秒間アンジェリカは沈黙に返った。何か考え事でもしているのかな?
「あ、あのお…」
「あ、そういえば、この後私は魔術ショーを見に行くのですが、ご一緒に見るのはいかがでしょうか? あ、このことはご内密にお願いします。こっそり外に出たですので」
ニコリと微笑むアンジェリカ様に、わたしは「あ、はあ」と戸惑ってしまった。
アンジェリカ様が魔術ショーを見に行く。彼女の身分が王女でありながらも、直々に魔術ショーを見にいくだなんて、わたしは内心で驚愕した。




