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異世界では王女、元の世界では普通に死んだ男  作者: 仲河樹
第二章 魔女が隠していること

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第10話 内政官の死と重要な目的

「おはようございます、アンジェリカお嬢様」

私が眼を覚ますころに、どうやら使用人メイドのリムが待っていたらしい。

その凜とした姿に、陽光に照らされ、優雅に見える。

今日は何事で待っていたのだろうと、私は思う。


「おはようございます、リム。ずっと私が起きるのを待ってたのですか?」

「ええ、ご主人様がお話しがあるとのことです」


その落ち着きぶりな話し方からして、もし俺が…今の私が男であったら即求婚の申し出をするかもしれない。

しかし、今世は女だ。女同士はさぞ無理がある。


「お話って、何かしら?」

「お嬢様が最近調査した内政官について…あと、もう一つあるとのことです」

もう一つって、なんだろう?と私は首を傾げる。


暫くして、私は頷いていた。

全身を覚まし、体をストレッチする。

一人で仕度しようと思ったものの、何故かリムは私の手を止めた。

「お嬢様、まず服を着替えて下さい」

「え、どうして?」

「いいから、私にお仕事をさせて下さい。今回は大事な面会があります」

「面会って…リム、あなたは何を隠しているのですか?」

「服を着替えてからお話し致します」


眉を寄せて私は裏で何かが匂うと思い始めた。

故に私は先に着替えて、自分の生活のルーティンを始めた。

ーーーーー

王族が住まうお城、白色や黄金の色を基調とした廊下を通り抜け、私はある扉の前に立った。そこではロバニが立って、こうべを下げて、礼儀良く扉を開いてくれた。


長い食卓テーブルが用意された。この世界での兄妹たちが居て、一番向こうの端に母と二人で居座ったのは父だ。


私は椅子に腰をかけ、礼儀よく、同時に直接話をする。

「おはようございます。父上、母上、アルム、アイシャ」

「あー、お兄ちゃんずるい!」

「別にいいじゃんかよ」

この世界での兄妹は遊ぶのに夢中で、私の挨拶を聞かなかった。

だが、今回の目的は父母だ。呼び出して、必ず目的があるはず。


「おはようございます、アンジェリカ。調子はいかが?」

「いい朝でございます、母上」

母は真剣な顔で尋ねて、私の心拍を上げていた


「まあ、そう緊張せず、普段通りでいいのよ」

「わかりました」

私は一度ため息を吐いて、気持ちを整理する。

この堅苦しい口ぶりをするのは、あまりにも圧さをましていくので、リラックスできないんだよね。

母がそう言ってくれて、助かる。


「朝早く申し訳ないんですけど、実は内政官のことで呼び出したんです」

「内政官がどうかしたのですか?」

「パパが謁見の間に呼び出した時、彼らはパパの前で死んでしまったのだ」

「……え、本当ですか!?」


半ばで入っている父はその言葉を足した。

私はその情報で思わず立ち上がり、混乱した。

内政官が死んだ!?何故だ?


「父上、まさかその場で死刑をしたのですか!?」

「いや、パパはそんな残酷な人じゃないよ」

「ですよね。じゃあ、どうして死んだのか、具体的にお話ししても?」

父が死刑を行わなくて、安堵の一息ができる。

私は再び椅子に腰をかけて、冷静に戻る。


「おそらく、魔法か何かで殺害されたのだろう。パパが謁見の間に呼び出した時、一人一人尋問する時に…いや、彼らが口を開く前に全員は突然倒れていた」

父はできるだけ状況を説明してくれるようだ。ここはちゃんと聴くことに

しよう。


「最初は毒ガスでもあるのかと思っておったが、死体を確認してる時にどうやら違うみたいだ」

「その異変は、彼ら内政官の死因が窒息で亡くなったみたいで」

「……」


なるほど、おそらく魔法で殺害されている。理にかなっている考えだ。その思考方向も正しい。

私は手を顎に添えて、深く考え始めた。

しかしながら、人を窒息と見せかけて殺害させる魔法なんて、あるのかな?

「それで、パパは最近内政官に関わっている…内政官を調査するアンジェリカに問いたい。彼らはいったい何をした?」

「召喚された勇者も未だ見つかっていない。何か手掛かりになれるものはあるのかしら?」


またシズクが関わってくるのか… 正直シズクは内政官たちに召喚されて、この世に入り込んだ。しかし、どうしてシズクはまだあの世界にいるのやら、未だ不明だ。


もしかして…

「何か手掛かりがありそう?」

「いいえ、それほどではないんですが、私が寝ている間に……なんか、ソリハという人に声をかけられまして…」

「ソリハ?」

「ええ、魔法使い『ソリハ』と名乗りました」

「ふうん…」

と父は顎髭を撫でつつ、考え始めた。


「でも、それはただの夢でしょう?事件とは無関係だと思うわ」

「そうですね…」

確かに、母が言うのに無関係だ。だが、私が先ほど言った『声にかけられた』というのは、夢のことではなく、あれは元の世界で話しかけられた時だった。シズクの日記を探るようにと言われていた。


今世の家族に『実は私、生まれ変わったものです』なんて言えないから、状況がわかりにくくなった。

とりあえず、考え方を変えてみよう。

昨日…いや、あの世界で公園から帰り次第、直ぐに調査し始めたのだが、やはり見つかっていない。


シズクがこの世界に召喚されて、元の世界にもシズクがいる……召喚されて…されて

召喚?

「何か気づきましたか?」と母は問いた。

「召喚魔法の魔法陣を探ってみてください」


私は断言できる、召喚される際に、召喚用の魔法陣には絶対何かがある。

もしそれを探れたら、この謎を進めるはずだ。


◇◇◇


『この国の王女、アンジェリカ・ビン・カワリズミはどうやら私たちの尻尾を見つけ出したみたいですね』

「ええ」

私は脳で響くあのものの声に返事して、頷いた。

『どうやら、私たちは次の行動に移すべきですね』

「ええ、だいたい兄の居所も見つけたところだし、あなたが言う守護する任務もだんだんとわかってきた」

小屋の中で姿を消して、正解だった。この者ーーーーーー『魔女ソリハ』の目的も理解できるようになった。

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