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鍛錬

 早朝の5時。


 エルさんに決闘場の場所について尋ねると、あわててエルさんは謝罪した。


 どうやらエルさんが決闘場について教えなかったのは、溝さらいの要請書類の事務仕事のことで頭がいっぱいだったということらしい。


 もちろん、俺の身を案じたこともある。


 受付嬢も大変だなと俺は思った。


 地図を基に決闘所にたどり着くと、まず看板から受付に案内される。


 そこで初心者であることを受付に伝え、鍵を渡す。


 そのあと、決闘場へと案内される。


 砂利一つ見当たらない整備されたグラウンドが視界一面に入る。


 受付からロングソードを渡される。


 かなり重い。


 どうやら剣の重さは体を鍛えるということで約6kgということらしい。


 やがて、一体の鎧を着た人型の機械が見えて俺の間合い内に移動する。


 「これが無名騎士か」


 「ご武運を」


 淡々とした声で受付がそういうと後ろの扉が閉まる。


 「さて、やるか」


 振り返り、無名騎士を見据える。


 「初心者プログラム、指導。対象を認識。5秒後に攻撃します。対象は赤い光のサインと声に合わせて防御してください」


 「わかった」


 「5、4、3,2」


 俺は剣をなんとなく正面に構える


 「1」


 「0」


 「左です」


 無名騎士が俺のほうからみて左のほうから攻撃を繰り出し、ここぞというタイミングで赤く光る。


 金属音が鳴り、俺は防御に成功した。


 「お見事です」


 「次!」俺は叫ぶ。


 「右です」


 「くッ」


 「お見事です」


 そういって右から繰り出された攻撃を、赤い光の点滅を合図に防御する。


 三十回ほど上下左右の攻撃を防御する。


 「この辺にしておくか。訓練を終了する」


 最後の言葉を聞いて、無名騎士はお辞儀して「お疲れさまでした」といい、決闘

場の奥へと消えていく。


 俺は疲れて尻もちをつくが、その疲れは不思議と嫌なものじゃなかった。

 

 これを毎日続けていれば、きっと他の冒険者にすぐ追いつけるはずだ。


 少し甘い考えを持ちながら、鍛錬を毎日行なうことを決心する。

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