気になる冒険者【受付嬢視点】
最近、家の周りが清潔になったと住民たちからのギルドの評判がいい。
大量の溝さらいの要請書類の量は相変わらずだが、溝さらいに関しての苦情がなくなったから私は昨今、心に余裕を持てている。
それがきっかけで受付嬢として、元雑用の彼の存在が少しずつではあるが、気にはなっていた。
真面目な態度、謙虚な姿勢、傷つけられてもくじけない強いメンタル。
なによりも人の嫌がらないことを率先してやる行動力が彼にはある。
最初にあったころと比べると溝さらいを毎日しているせいかリョウさんの体はかなり細マッチョで引き締まっている。
同僚の子から、「エルは、どんな子がタイプなのさ」と休憩中に聞かれて、彼のことを思い浮かべて思わず動揺してしまう。
「なんだかエルは、堅物が好みそうだよね」
「この前なんか、溝さらいの青年と食事していて私びっくりしちゃった」
「えぇ、いがーい」
同僚達が騒ぐ。
「そんな、ただの食事だし、質問に答えただけで」
「他の冒険者に言い寄られても結構ガード堅くしていたのにねぇ」
「そ、それは」
「まぁ溝さらいの子が珍しいイレギュラーだったからとりあえず、話だけでも、というのもわからなくはないよね」
そこから同僚たちはほかの話をしたけれど、その日から、彼のことを頭の片隅に置いてしまっている。
作業している彼の腕、逞しかったな。
やだ、私ったら、一体何を考えているの。
引き締まった肉体なんて見慣れているじゃない。
きっと気が緩んでいるんだわ。
私は顔を赤くして、首をぶんぶん振り、頬を両手で叩いて仕事へと戻った。




