亜人集落 テアント
「アル〜起きてくれ〜」
目を開けるとサニルが起こしにきていた。
「なんだ…もう出発の時間か……」
「ほら!さっさと起きて出発しよう!」
急かすように激しく揺さぶってくるサニル
「せめて朝飯は食わせてくれ」
「移動しながら食べれるだろ?」
なんだかサニアが焦っているように感じるが気にしないことにしよう
店で軽い食事をしてから商人の馬車に乗せてもらい、出発したのだった
馬車に乗せられた品の数々には…
「今は装飾品が売れるのか?」
「ええ!それはそれは…最近の亜王は装飾品がお好きなようで」
「ハイナ、亜王って何だ?」
「亜王は集落をまとめるボスです。あそこには法がありませんが、
王を不愉快にする事こそが罪となる…と言われていますね」
「亜王…亜人にとって強さこそが全てと言っていたが、その亜王は集落で最も強いということか?」
「そのようですね。しかし今の亜王は少し前に入れ替わったみたいですが…」
「強さで決まるなら、上が変わるのは当たり前か…」
本当に残酷な場所だな
話していると目的の場所、ヨルデ山の亜人集落についたのだった
全員が馬車から降りる
「よし!みんな行こうか」
一番早く降りたサリルはそそくさと歩く
「アルさん?どうしたんですか?」
「俺は別のところで情報を集めてくるよ」
「ああ、気をつけてね。アル」
サニル達と別れて、集落を歩き回ることにした。
山の周りには鉱脈の従業員や下級の亜人達の住んでいるようだ
「なぁ少し聞きたいことがある」
「何だ小僧?こんな場所で…売られたのか?」
聞き込みのために入った飲食店のカウンター席に座っている獣人に話しかける
「ただの浮浪者だ。最近ここで変なことが起きたことはないか?」
彼は無言で親指と人差し指で輪っかを作る獣人
俺は冒険者の頃に稼いでいた一部の金を渡す
「ほぉ案外持ってんな。そうだな…ここじゃ何もかも変だからな
逆に平和なことがあったら教えてほしいぜ」
「じゃあもう一つ、亜王ってどんなやつだ?」
「…お前、ボスに用でもあんのか?」
店にいた獣人達の視線がこちらに向けられるのを感じる
「いや別に、だがここで過ごすなら知ってたほうがいいだろ?」
「それもそうだな。すまねえが俺たちの身分じゃそのお姿すら見れねぇ
詳しいことはここの誰も知らねえだろうな」
他の席にいる獣人たちを見渡すが皆が視線を合わせようとしない
「だが今までの王の中ではかなりやり手らしいぜ。あの三獣星が珍しく静かだしな。」
「三獣星?」
「ここの商売を管理している奴らだ。奴隷売りに狩猟した魔物の取引のボス、
そして街の店のまとめ役ってところか」
「三獣星が大人しいことはおかしい事なのか?」
彼は酒を一口のむ
「奴らが静かにするのは他の国の騎士団共が来ている時か、何かデカい仕事が入ってきた時だけだ」
「そうか…ありがとう」
「坊主…これはサービスで教えるが”ここ”で貸し借りはあまり作らない方がいいぜ」
一度店を出て集めた情報を整理する
ここでは強さで身分が決まるようなもので、治安はあまり良くないようだ
しかも上の奴らはこんな所では滅多に見れない
集落を歩き回っている際に綺麗な荷馬車が山の方に行くのを見かけた
やはり山に掘られた穴に上級の者達はいるのか
ここに大罪が来ているのならば間違いなく上位層にいる可能性が高い
一度山の中に入るための入り口に行くことにした
「なぁあんた、ここの奥は何があるんだ?」「消えろガキ、お前のような奴が入れる場所じゃない」
入り口に守衛…やはり身分が高くないと入れないか
さて、どうやって入ろうか




