弱者と強者
出発してから進んでいると多くの馬車とすれ違う
「また商人…随分と多いな」
「砂と岩の世界では食糧はあまり取れないからね。食糧の多くは輸入に頼っているようだ。」
「だから多くの商人と出会うのか。だが載せているのは鉱石じゃない…
奴隷、しかも鉱脈で働けない子供が多いみたいだな。」
すれ違う多くは…獣人とエルフがほとんどだな
「……すまない」
通り過ぎていく馬車に目をむけ、ぼそっと呟くサニル
彼はエルフの国の王子と言っていたし、同族があんな姿になるのは心が痛むのだろう
俺たちであれば商人の護衛を倒してあの子達を助け出せるだろうが、
その後で養えるほど俺達の物資は多くない。
助けたとして、あの子達を死なせるのが俺たちになるだけだ。
それを理解して、助けれないことにサニルは謝罪したのだろう
「大丈夫か?サニル」
「ああ、大丈夫だ。行こうか」
荒地を進み、小さい集落についた。
ここはどうやら輸送拠点の中継地点のようだ
「今日はここに泊まろうか。宿を探してくるよ」
「じゃあ俺はここで待ってるよ」
サニル達は宿を探しに行って、俺は一人になっていた
亜人集落の手前だからか獣人達が多い。それにどこを向いても歩いている獣人達と目が合う
「おい、ガキ。こんな場所で一人になるなんて馬鹿だな」
「…チワワ共は血の気が多くて嫌になるな」
剣を鞘から抜いておく
「は?状況をわかっているのか?」
「えっと…4匹のパピーだろ?」
「てめぇ‥死にてええか!」
かかって来た一匹の武器を剣で跳ね飛ばす
「な、こんなガキに…何が起こって…くそ‥逃げるぞ、お前ら」
「はぁ聞いていた通り治安が悪いな」
騒ぎを大きくして治安保持をする者が来ることを願ってみたが、
周りの奴らは通報するような動きがない。つまりそんな組織はないということ
集落の真ん中でさえ誘拐をしようと、咎めるものはなし…まさに無法地帯か
「アルく〜ん!騒ぎがあったみたいだけど大丈夫かい?」
「大丈夫だ、犬に躾をしただけだよ」
「アルさん今日泊まる宿を見つけました。一緒に行きましょう」
ハイナたちについて行き、宿で休むことにした
「それにしても、君は剣術も中々だね。あの時、獣人が全員でかかってきても勝てるだろうね」
「小さい頃から教わってたし、少し前まで冒険者としても戦っていたからな」
「だけど、盗賊を相手にしていた時より魔力が少なかったみたいだけど…」
ほんとよく見てるな…こいつ
「紋章を隠していると力が弱まるみたいでな」
「ヘェ〜案外、面倒だね。大罪の紋章は…」
サニルと雑談をしていると眠気から欠伸をしてしまう
「はは、随分長い欠伸だね。今日はかなり体力を使ったから仕方がないね。もう寝ようか」
「そうさせてもらうよ。そういえばハイネ達は?」
「二人とも今は買い出しに行ってもらっている。あの二人なら大丈夫さ」
「そうか、なら寝る。」
「おやすみ、アル」
久々のベッドだったからかぐっすり眠れた
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