日々は静かに消えゆくように
スタンピードが終えてから三日
ギルドマスターが大罪であった事実とその死は国を大きく揺るがせていた
その初日には僕達は大罪を倒した英雄として冒険者達に囲まれる時もあった
「まだ疲れが取れないみたいね。レーン」
「そうみたいだね」
お店で注文を終えて、席で待っているとレヌたちがやってきた
「兄さん…大丈夫?」
「心配ないよ。レヌ」
「あんなことがあってはね…そういえばリドはどうしたんだ?」
「リドはまだ部屋にいると思うけど…どうして?」
「いや、なんでもないよ。ただ胸騒ぎがする様な気がしてね」
「ヘェ胸騒ぎね…まぁいいわ。レヌもリビッドもご飯にしましょ」
「私はオムライスが良いです」「俺は肉がいい!」
「何いってるのよ。貴方達の注文は貴方達で取りに行きなさい」
三人は注文をするために席から離れていった
「なんだよ、胸騒ぎって…」
困惑するような顔でリドがやってきた
「気にしないでくれ、ただの勘だよ」
「ふ〜ん…そういえば、もう報告は済んだのか?」
「ああ、もう数日したら中央国からの調査隊が来ると思うよ」
「…そうか」
「ねぇリドもご飯にしない?」
「ああ、おすすめはあるか?」
「最近は肉が美味しいよ。レヌ達はさっき注文に行ったばかりだし、君も行っておいで」
「そうさせてもらうか」
リドも注文に行き、少ししてみんなが戻ってきた。
「はい、レーンの分…どうかしたか?」
「ああ、すまない。ぼーっとしてたかな。さぁ食べようか」
しばらく雑談をしつつみんなでご飯を食べる
「なぁ少し…みんなに聞いてほしいことがある」
「なんだぁリド。いかにも大事な話があるって顔だな。あれか?ついにお前に女が…」
リンがリビッドの頭を叩く
「いて!なんだよ!」
「そんなことじゃないでしょうに…それで何かあったのリド?」
「…パーティを離脱したい」
「なんで…」
「待ってレヌ、それでなぜ離脱するんだい?」
「あくまで一時だが、理由は自分でもよくわからない…
けどなんとなく感じるだ、俺にはやらなきゃいけないことがあるって」
彼の目からは強い意志を感じる
「それは…君の力に関係があるのかな」
「間違いなく、あるだろうな。」
「そのやらなきゃいけないことって何よ…」
「みんなを…俺が愛した人たちを守ることかな?」
「それじゃあ離脱することなんてないでしょう!」
「リンちゃん…」
「ごめんリン。そういうわけにはいかないみたいだ」
「何でよ…」
「わかるんだ。この願い…欲には抗えないって」
「…理由はわかったよ、リド。それじゃ今日はお別れ会と行こうか」
みんなで思い出話に花を咲かせる。この2年間のことやその前のこと
楽しかった思い出やケンカした思い出もあったが、リドはとても良い仲間だった
「みんな、もう行かなきゃいけない。」
「ああ、今までありがとう。リド」
「お世話になりました!リドさん」
「元気でな!リド」
リンが何かを考えているようだ
「どうしたんだい?リン」
「ねぇリド、”リド”って偽名よね?」
リドは少し表情を歪ませる
「まぁそうだが、何かあるのか?」
「せっかくなら最後に名前を教えて」
「リドの本当の名前が気になるのかい?リン」
「それはそうでしょう?それでどうなの?」
リドはしばらく考えて、口を開く
「…次にあった時、話してやるよ」
少し口角を上げて話すリド
「もう!ずるいわね…あなた」
「はは、当たり前だろ?それじゃ…ああそうだ!
中央国から俺に聞かれた時正直に話してもらってもいい。じゃあまたな」
席を立ち、店を出るリド
「行っちゃいましたね。兄さん」
「ああ、それにしても彼は優しすぎないかな…リンもそう思うだろ?」
「なんであたしに聞くのよ…」
「だって君は…いや何でもない」
「何!何か言いたいならハッキリ言いなさいよ!」
「はーい!それじゃみんな準備をしようか。中央国の調査隊はすぐ来るかもだしね」
怒るリンをかわし、店を出る
辺りを見渡すが、もう彼は行ったようだ
「次に会った時…か」
それはきっと彼はまた会おうと言ったのだろう
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