奥の手と活路
リンの魔術が防がれた直後、俺はネドゥに距離を詰めていた
レーンとリビッドも少し遅れて動く
ネドゥは常に一定の魔力の為、戦いが長引くほどこっちが不利になるだろう
俺達は短期決戦、間を空けない攻勢で戦う
「若者は忙しないね…」
焦りもせず、攻撃を防ぐネドゥ
「リン!アレを試してくれ!」
「わかったわ!」
レーンがリンに合図を出す
「さぁ!行くわよ!」
「また炎か…なっ!」
炎の魔術式のはずだが、大きな氷塊が飛んでくる
魔力が消滅するが、氷は消えない
ネドゥはこの戦いで初めての回避をした
「ほぉ…逆式魔術か、随分と成長したね。リン君」
攻撃は外れるが、魔法で作られて物質は消せないようだ
それに、逆式魔術…簡素な魔術ならば術式に流し込む手順を変えることで
本来の術式の逆の効果が現れるという原理だったか。
かなりの難しい技術だが、リンは使いこなせている
「光栄です。ネドゥさん」
「近接で意識を分散し、魔術による魔力もしくは物理的の攻撃、厄介だね…」
先程は、炎の攻撃と判断して、魔力の消滅に切り替えていたが
氷塊を体で受けず避けたのは切り替えが間に合わなかったのか
この戦い方で間違いはないはずだが…
まだ足りない…先程は不意打ちだからこそ決まったのだろう
ならばもっとだ、もっと誰も思い付かないような…
奇抜な策を実行しなければ
考える。どうするべきか、どうすればこいつの上に行けるか
俺にできること、俺にしかできないこと
奴の能力の魔力の消滅は俺には効果が薄い……
「リン!俺に炎の魔術を!」
「なにを……もう!後悔しても知らないわよ!」
リンは戸惑いながらも答えてくれる
できる保証はないが、試す価値はある
剣ではダメだ。意識が難しすぎる、素手ならば…
剣を地面に突き刺し、手放す
「炎よ!この手に!」
リンが放った魔術を引き寄せ、拳に纏う
自身の魔力を燃料にし、炎の威力を維持し、拳に留める意識もする
レーンとリビッドがネドゥの足を止めている
手が焼ける痛みを我慢し、正面からネドゥの顔を狙って拳を振るう
「二人とも!離れろ!」
レーンとリビッドはネドゥから離れる
ネドゥは両手で拳を受けるが、爆発するかのような音と共に吹き飛ばされる
「な、なるほど……私の能力では君の魔力を消せない…それを利用し、
自身の魔力を糧に他者の魔術を維持し殴りかかる…」
ゆっくり起き上がりながら喋るネドゥ
あれを受けてまだ生きているか…
「つい油断した…物理で受けてしまったな」
だが、いいダメージが入っているようだ。
自分の腕は魔力で強化していたが、火傷を負ってしまった。
レーンと目があう、そして同時に頷く
「リン!最大出力を準備してくれ!みんな!次で最後にしよう!」
レーンの指示を聞き、全員が頷く
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