ただ気に食わない
俺達は冒険者が指した場所に来ていた
みんなの表情が少し、暗い。レヌが心配なんだろう。
何も痕跡がない…なぜだ。
「っ!レヌ!どこだ!返事をしてくれ!」
レーンは焦った表情をしている
ここまで表情が出ているのは初めて見る。
みんな大声を出して返事を待つが、無慈悲な風だけが吹く
「くっ!レヌ!」
「待ってレーン、木に何か挟まってる」
リンは何か見つけたようだ。
「これは…紙?」
リンは紙を読み終わったが、険しい表情になる
「…リン、紙にはなんて。」
リンは長い沈黙の後、口を開く
「私は、あなたの夢を知り、それを穢すもの、落とす者、堕落させるものだ。
私があなたの大切なものを奪い、この地の奥へ行く。覚悟があるなら来るがいい」
レーンはぐっと拳を握っている。
「…それと紙には、絵が描かれているわ」
リンはこちらに紙を見せる。
紙に書かれていたのは…
「リン、これは…」
「…大罪……"蟻"の紋章」
「そ、そんな馬鹿な」
リビッドは信じられないようだ。
レーンもリンもリビッドも…俺も言葉が出てこない。
「くっ!くそくそくそ!レヌが!そんな、そんな…」
誰も喋れない。かける言葉が出てこないのだろう。
「なんで、何でレヌが…この地の奥に?危険すぎる!でもレヌが…」
ここまで取り乱すレーンは、見たことがない。
「う、くそくそ…」
レーンは、泣き崩れている。
リンもリビッドまでも
俺はどうすればいい。…いや、答えなら既に『手』にある。
深呼吸をし、心臓を落ち着かせる。もうバレるどうこうではないな
ただ俺は、この人達がこんな目に遭うのは、気に食わないだけだ。
「方法ならある!」
俺の言葉に全員が反応する。
「リド、慰めは…」
「……毒には毒を、力には力で…ってやつだ」
手の包帯を外す、今はもういらない。
「レヌを…仲間を助けるためなら…
僕はこの”毒”を使う。」
素肌になった手の甲を仲間に見せる。
「っ!」
「それは!」
「リド、お前…」
全員が驚いた表情になる。
「レーン、君ならどうする…」
絶対に後悔はしない
この人達を助けられるなら
読んでいただきありがとうございました




