203 「スピノザの診察室」
こんにちは。
今回はこちらの本のご紹介。
とはいえ2024年本屋大賞の第四位にもなった作品ということで、ご存じのかたも多いかと思います。
ですが私自身は恥ずかしながら初めて拝読。それも、勤める学校図書館で「面白かったです」と進めて下さる先生があり、その後借りていく生徒さんも多めだったからです。いやいや……教わることが多い。
〇「スピノザの診察室」
夏川草介・著 / 水鈴社(2023)
こちらの作品には続編「エピクロスの処方箋」という作品もあります。こちらは今年2026年の本屋大賞でやはり第四位を獲得。また「スピノザの診察室」のほうは、すでに映画化が決定しているとのこと。
ちなみに「夏川草介」というペンネームは、敬愛する文豪・夏目漱石とその作品「草枕」、川端康成、芥川龍之介の文字をひとつずつ頂いて作ったものだそうで。
デビュー作はあの有名な「神様のカルテ」(とはいえやっぱり未読ですが)。
さて、ではストーリーを少しだけご紹介。
舞台は京都。もとは東京の大学で凄腕の外科医だった雄町哲郎(通称マチ先生)は、まだ30代の医師ですが、家庭の事情もあって京都の町医者となっています。亡くなった妹の息子で中学生の龍之介くんとの二人暮らし。
季節のうつりかわってゆく京都の町と、あちこちにある名物のお菓子の描写がとてもリアル。マチ先生、大変な甘党なのです。
この町、認知症だったり老衰だったり不治の病を抱えたりの高齢者患者さんたちに寄り添い、自転車に乗って日々回診に出かけるお医者さん。もちろん病院内での大腸検査などでも忙しい。
命とはなんで、死とはなんなのか……。素晴らしい医療技術を持ちながらもそれを誇ることなく、淡々と真摯に命に向き合おうとしているマチ先生の姿が胸に迫る作品です。
マチ先生の愛読書であるバールーフ・デ・スピノザによる哲学書「エチカ」がお話の中で何度も登場するので、「エチカ」も気になったのですがさすがに学校図書館内にはなく。
仕方ないので「シナモロールのエチカ」(朝日新聞出版)を借りて帰ってきたのは内緒です(笑)。
これはこれで、中学生にはちょうどいい入門書ですもんね!
こちらのシリーズはどこの中学校でも結構揃えているところが多いと思います。なかなか勉強になります。サンリオのキャラクターも可愛いですしね!
それでは、今回はこのあたりで。





