第7話【後期試験】
あっという間に月日が流れレイサル国立学院の後期試験日が迫ってきた。
俺はルーシャとユーリと一緒に首都レイサルの宿屋に居る。
「ねぇルーシャこの宿懐かしいね」
「そうだね半年ぶりかな」
「半年かぁ…今回は大丈夫かな」
「今回はユーリも一緒に受けるし大丈夫だよ、もし何かあれば私達が対処するから」
「そうですよ、私とルーシャに任せて」
「頼むね2人とも」
今回は貴族の身分を隠す必要がない、なんたってもうバレてるからね。
明日は試験だけど今日は豪華に食事と行こう。
「ねぇお肉食べに行こ」
「またお肉…どこ行くの」
「前と同じお店」
「またあそこ?」
「美味しかったじゃん、あともしかしたら会えるかもしれないし」
俺たち3人は町一番のステーキ屋に赴いた。
案の定そこには見覚えのある男が食事をしていた。
白銀の鎧を身にまとった男はこちらに気づいて声をかけてきた。
「おぉ!ヴェルディンじゃねーか!久しぶりだな!」
アランが話しかけてくると共にルーシャとユーリは警戒態勢に入った。
「お久しぶりですアランさん、ここに来ればあなたに会えるかもと思いまして」
「今日は子供がひとり増えてんだな!てか俺を探してたのか!何か用か?」
「いえいえ特にこれといった用はないんですけど……今回は邪魔しないでもらえます?」
「……はぁ……なーんだ、やっぱバレてたか」
「あまりレイバルト家を舐めないでください」
「さすがサイレントと言ったところか」
「とりあえず今回は手を引いた方がいいですよ、次もちょっかいかけてきたらサイレント全勢力をもって戦ってあげますよ」
「全勢力ねぇ…お前と隣の子供を守りながらルーシャは戦えるのか?」
すると子供扱いされたユーリがサイレントの秘術をといて姿を表した。
「自己紹介が遅れましたね、私はイロハ・ユーリ。近衛騎士団団長アラン・リンドウなら一度は私の名前を聞いた事あるのでは?」
「!?!?イロハ・ユーリだと……確かにその黒髪…お前が何故ここに」
「それはもちろんヴェルディン様をお守りするためですわよ、それに貴族撤廃派の中に私の相手をできる者は何人いるのかしら?」
えーーーなになに、ユーリって有名人なの?
やっぱり強いの?サイレント幹部だから強いのは当たり前なのか。
とりあえずルーシャに聞いてみよう。
「ねぇユーリって有名人なの?」
「あの子は私が知る限り世界五本の指に入る実力者だと思うよ。それに彼女は神の騎士の称号を持ってる。」
「神の騎士ってなんですか?」
「今を生きる生物の中で最強の12人、選ばれ方は不明だがある日突然体のどこかに神の騎士の紋章が現れるらしい。」
「神の騎士……神様が選んでるのかな?」
「どうだろうね、天界に神がいるとされてるけどそれは全て英雄譚の話だし、実在するかはわかんない」
「でもとりあえずユーリはそれほど強い人なんだ」
「……強いよ、貴族撤廃派もユーリを敵に回したくないだろうからもう何もしてこないと思う」
「なんか不満そうだね」
「ユーリが同行するとこうなるとわかってた。私じゃヴェルを守るには力不足…」
「そんなことないよ、もちろん僕の近くにユーリ程の実力者が居てくれるのは嬉しいけどそれでも隣にはルーシャにいて欲しい……かな」
「………」
ルーシャと話してたらアランと話し終わったユーリが戻ってきた。
「話はついたよ、貴族撤廃派は金輪際レイバルト家への接触をしないらしい」
「ありがとうユーリ、でもユーリがそんなに強い人って僕知らなかったよ」
「言ってなかったっけ?私って結構強いよ」
「でも神の騎士なのにサイレントのトップじゃないんだね」
「私はライに忠誠を誓ってるからね。もちろんレイバルト家にもね!」
「そーゆーことか、ありがとう。とりあえず一件落着だね」
「……それはどうかな」
「どうしたのルーシャ」
「あの貴族撤廃派が手を引くとは考えがたいし、レイバルト家に手出ししなくても他で暴れる可能性だってある」
「確かにそれもそうか、今後も警戒はするってことで」
「……もちろん」
ルーシャには何か引っかかってるようだが、今回の件はとりあえず収束するだろう。
そんなこともあり俺とユーリの入試試験は無事合格。
ルーシャは教師として学院に潜入成功。
今回俺を不合格にした小等部責任者のマレリアは解雇されてた。
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<アラン・リンドウ視点>
俺はしっぽを巻いて貴族撤廃派本部に戻ってきた。
幹部たちを集めて緊急会議を開いた。
集まったのは幹部アラン・リンドウ、幹部ナイル・オスカル、幹部キャリス・ベグリー、幹部ルーン
「集まれた幹部は俺含めて4人か」
「何があった?」
「とりあえず俺の話を聞いてくれ、半年前のレイサル国立学院でレイバルト家にちょっかいかけただろ」
「あの身分を隠して入学しようとしてたやつか」
「あぁそのレイバルト家に俺の正体がバレてた、だがそれは些細な問題だ。相手にはあのイロハ・ユーリが居た」
「イロハ・ユーリだと!?何故ここに」
「状況から察するにあいつはレイバルト家と繋がっている、多分サイレント幹部だ」
「あれほどの実力者がサイレントに居たとは…」
「貴族撤廃派はレイバルト家から手を引くことを約束してきた。みんなも気をつけてくれ」
「手を引くのか!近衛騎士団団長ともあるやつが怖じけずいたものだな」
「さすがにイロハ・ユーリが相手となると手を出しづらい、ここは一旦引いておくのが懸命だ」
「…アランが以前言ってた白髪のメイドはどうなんだ?」
「……あいつも要注意だ、イロハ・ユーリと対等の関係を築いてたから多分俺らより強い……」
会議室に重い空気が流れてた。
「とりあえずこのことは俺から代表に伝える、貴族撤廃派は今はレイバルト家から手を引く、どうだ」
「異議なし」
「異議なし」
「異議なし」
「よし、話は終わりだ!各部下に情報を通達!欠席の幹部にも俺から伝えておく!」




