第8話【入学式】
今日は待ちに待ったレイサル国立学院の入学式だ。
小等部の制服は全身が白く、金色のラインで装飾されてる。
学年が上がるごとに金色のラインが増える仕組みだ。
「ヴェル似合ってるよ」
「ありがとうルーシャのスーツ姿も似合ってるよ」
「私に黒は似合わないよ」
「似合ってるよ」
「…そっか」
「ねぇヴェル私の制服姿は?」
「まぁまぁね」
「あんたに聞いてないっての!」
「もー2人ともこれから入学式なんだから喧嘩しないで」
全くこの2人には手を焼くな、何かあればすぐ口喧嘩になる。
さて、入学式が始まる。
俺とユーリはクラス分けの通りに並び、ルーシャは教師陣の列へ並んだ。
すると壇上に1人の女性がたった。
エルフ?だろうか、耳は長く茶髪の長い髪が特徴的だ。年は40代くらいだろうか。
「皆様お静かに、私はレイサル国立学院教頭のキャスティン・スウィルです。本日はレイサル国立学院小等部へのご入学誠におめでとうございます。まずは学長挨拶から始めさせて頂きます。レイサル国立学院学長ルヴェンロード・ガルナシア」
学長の紹介と同時に壇上が暗転した。
中央に光が照らされると、そこには燃え上がる程の赤い髪に歴戦の傷を顔に刻んだ中年すぎの男が立ってた。
「紹介に預かった学長のルヴェンロード・ガルナシアだ。本校では剣術、魔術、精霊術、その他にも一般知識や各分野の専門知識など学びたいものを学べる環境だ。小等部の君たちは将来何になりたいとかまだ決まってないだろうが学んでおいて損はない。楽しいこと、新しいこと、難しいこと、どんなことにも挑戦して欲しい。以上だ。」
すごく淡々とした演説だった。
正直言うと学長の見た目はここにいる6歳の子供たちには怖い印象だろう。
それくらい気迫のある登場だった。
「続きまして新入生代表挨拶、小等部首席合格のヴェルディン・レイバルト」
首席合格の人が挨拶するのか、どんなやつ………!?!?
「ヴェルディン・レイバルト!?!?!?!?ぼ、ぼぼ、ぼくですか!?」
やばっ!思わず大きい声を出してしまった。
会場中の視線が俺に集まる。
「えぇあなたが首席合格者です。代表挨拶の件は手紙を送って返信も頂いてます」
俺は教師陣の中にいるルーシャを探した。
見つけたルーシャはくすくす笑ってた。
やべぇ俺ルーシャに遊ばれてる……。
「わ、分かりました」
俺は渋々壇上へ上がる、その際周りからはヒソヒソと俺の家名に関する言葉が聞こえてきた。
「あれが噂の…」
「レイバルトってあの貴族の……」
「ヴェルディンくんかっこいい人……」
かっこいいと言われるのは嬉しい……あと噂のってなんだよ、なんの噂だよ、恥ずかしいからやめてくれ。
だが今回の後期試験では貴族の身分を隠してない。
だから首都ではあのレイバルト家の長男がレイサル国立学院にって噂が立ってたらしい。
「えぇーご紹介に預かりましたヴェルディン・レイバルトです。ご存知のお方もおられると思いますが、マナ地方領主のレイバルト家です。ですがここでは貴族だからといって特別待遇を受けるつもりはありません。新しい環境で新しい友達と出会いまだ知らないことを学びに来たただの子供です。この先長い学院生活の中で苦楽を共にすると思います。共に助け合い共に笑い楽しい学院生活を目指しましょう!」
我ながら上出来の挨拶ではなかろうか。
いきなりのことで緊張もせずに喋れたのもでかい。
「それでは各クラスに別れて教室に移動してください」
俺とユーリは同じAクラスだ。
正直、貴族撤廃派に俺やユーリの存在はバレてるから最初の話では俺に付きっきりで護衛する大人、のはずだった…がユーリ自らの希望で子供になりたいそうだ。
席に座ってると俺の周りには人が集まってきた。
「ヴェルディン様よろしくお願いします」
「ヴェルディン様と同じ学び舎で光栄です」
「ヴェルディン様ーーーーー」
「ヴェルディン様ーーーーー」
「あぁぁぁああ!!!やめてくれぇー!!!!!僕は貴族扱いされたくないの!ここでは普通の人として接して欲しいの!様って呼ばないで!敬語もやめてー!」
「そ、それでは不敬に……」
「僕がそうして欲しいの!」
するとこの空気を見かねたのかユーリが割って入ってきた。
「ヴェル今日からよろしくね」
周りの子供たちは(おいこいつまじか、貴族にタメ語まじか)的な顔でユーリを見てたがユーリは笑いながら俺を見てた。
「よろしくユリちゃん」
ここではユーリはユリと名乗る。
一応設定では初対面……のはず……。
「あらいきなりちゃん呼びは恥ずかしいわ」
「ユ、ユリさん……」
「ふふっユリでいいわよ」
やばいユーリが笑ってる、こいつ俺で遊んでやがる。
ルーシャといいユーリといい俺を子供扱いしすぎだっつーの。
するとそこで教室の扉が開く。
入ってきたのは白髪ボーイッシュな髪型に黒スーツを身にまとった……
「みんな席について、ホームルーム始めるよ。私は担任のルーシャ、よろしく」
「「「よろしくお願いします!」」」
「あら、ヴェルディン・レイバルトさん、あなたはよろしくお願いしますって言わないの?」
ルーシャが笑ってる…また遊ばれてる…
「よ、よろしくお願いしますルーシャ先生」
先生と呼ばれて嬉しそうなルーシャと、それに嫉妬してるユーリ。
俺はこの環境でやっていけるのか……。




