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もう一度 〜やり直しのきかない人生〜  作者: 優しさ透羽
第1章【入学編】

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第5話【諜報機関】

俺とルーシャは帰路に着いた。

そして今回の件を説明するため食卓で両親の帰りを待っていた。


「ヴェル、旦那様と奥様がお帰りだよ」

「そのまま食卓に来るよう伝えて」

「もう既に」

「ありがとう」


父と母は慌てた様子だった。

ルーシャから軽く説明を受けたのだろうか。


「ヴェル何があった」

「分かりません、今分かってるのは合格基準を満たしてた僕が何者かの手によって不合格になった事実だけです。ですが、多分貴族撤廃派が関与してるかと」

「貴族の身分は隠してたんじゃないのか?」

「受験の時は隠してました。ですが首都の街中で1度貴族として挨拶を交わした人物がいます。レイサル共和国近衛騎士団団長アラン・リンドウという人です」

「近衛騎士団団長のアラン・リンドウか。レイサル共和国だけでなく、このフィン大陸の中でも三本の指に入る実力者だ。そんなやつが国を裏切ってるわけなかろう」

「僕もそう思いますが現状の証拠からは怪しいのも事実です。サイレントを使って調べさせますか?」



サイレントとはレイバルト家の諜報機関だ。

何を隠そうレイバルト家が貴族として地位を築いたのはこのサイレントが居たからだ。

表では地方領主だが、裏の顔はレイサル共和国の諜報機関そのものなのだ。



「だがサイレントを使うと少なからず国王の耳に入る、要らぬ心配をかける」

「ですが今回の騒動は国王様も知られていた方がよろしいかと」

「……確かにそうだな。サイレントに調べさせよう。国王には私から伝えよう」

「ありがとうございます」


父との会話が終わると母は弱々しい声で呼んできた。


「ヴェル…」

「どうしましたか母様」

「その…大丈夫ですか?」

「ご心配ありがとうございます。ですが大丈夫ですよ、まだ後期入試は残ってますしそれまでに白黒つけます」

「危ない真似しないでね」

「僕はやりませんよ、全てサイレントに」

「そうですか」


すると横からルーシャから呼ばれた。


「ねぇヴェル、サイレントの組織構図知ってる?」

「ある程度理解してるよ。レイバルト家本家を主軸に分家の優れた人達で構成されてる諜報機関でしょ」

「サイレントのトップは誰か知ってる?」

「それさ、以前聞いた時はまだ子供に教えるのは早いとか言ってなかったっけ?」

「だってあの時4歳だったでしょ」

「今は5歳、もうすぐ6歳だけどもう大人の仲間入りしたってこと?」

「貴族は5歳から色々教わるそうよ、家業もね。本来ならヴェルも教育が始まる時期だけどあなたはレイサル国立学院に行きたいと言うから保留になってたの」

「そう言うことか。で、サイレントのトップは誰なの?」

「私……の父だよ」

「……え?」

「だから、私ルーシャ・ラデンの父ライ・ラデンが諜報機関サイレントのトップなの」

「はぁ!?あの人が!?」

「えぇそうよ」

「ここにきて新事実すぎるでしょ」


あの人がサイレントのトップ……

にこやかな顔で紅茶を入れてたあの人が裏では諜報機関のBOSSなのかよ。

にしてもルーシャが戦えるメイドだったのも説明がつく。

多分ルーシャもサイレントの一員なのだろう。


「本題に戻ろう。サイレントの調査はどのくらいかかるの?」

「そうね、今回の事案ならそう長くはかからないと思うよ」

「後期入試までに間に合う?」

「サイレントを舐めない方がいいよ」

「おぉ、怖い顔しないで」




ルーシャの言葉は、決して大げさなものではなかった。

両親との話し合いから、わずか一週間。

サイレントは、俺の入試を不合格にした人物を突き止めた。

だが、報告を聞いた俺は、しばらく言葉を失うことになる。

まさか、あの人物が……。

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