第4話【入学試験】
俺は今レイサル国立学院の東門前に立っている。
小等部は東門から出入りするらしい。
おっと、レイサル国立学院の詳しい説明がまだだったな。
この学院は4つのカテゴリーに分類される。
東の小等部、西の中等部、南の高等部、北の大学部だ。
1度入れば基本はエスカレーター式で進学できるらしい。
が、あまりに成績が悪いと小等部から留年も存在するらしい。
小等部の6年で剣術や魔術の基礎知識を叩き込まれて中等部からは専門分野を選択して単位を取得、的な感じらしい。
案内された教室には色んな種族達が座っていた。
人族、獣族、魔族、あれは多分エルフにドワーフ。
生前アニメで見たもの達が実在していて俺は感激した。
と、まぁその話はさておき本題は入試試験だ。
筆記試験はどれも簡単な問題ばかりだった。
多分俺は満点回答だろう、数問間違ってたとしても合格は確実だと思う。
実技試験の体力測定と剣術基礎、魔術基礎もまぁまぁの出来だった。
異世界転生あるあるの才能にたけた成績は収めれなかったがまぁいいだろう。
試験が終わった後は校内の説明だ。
学院の仕組みなど詳しく説明を受けた。
説明が終わると同時に教師が教室に入ってきた。
「私はレイサル国立学院小等部責任者のマレリア・ルサバルディです。在り来りな言葉で表すと校長と言います。本日はレイサル国立学院小等部前期入試試験お疲れ様でした。試験結果を発表しますので静かにお聞きください。合格者は14番、26番、28番、38番、42番、44番、45番、……」
俺の番号は142番だ、まぁ大丈夫だろう。
「102番、111番、123番、148番、149番、182番。以上を前期試験合格者と致します」
……は?俺の番号が呼ばれてない…だと?
多分なにかの間違いだろう。
「す、すみません。142番は合格でしょうか?」
「142番、ヴェル・サリルさん……あなたには不合格の判定が出てます」
「何故ですか?」
「合否の判断基準はお話することができません」
なぜだ、なぜ俺が不合格なんだ?
納得いかないがここでこれ以上ごねても要らぬ注目を集めるだけだ。
とりあえず宿に帰ってルーシャに話そう。
「ルーシャ今日の試験結果なんだけどさ」
「どーしたの、そんなにかしこまって」
「その、不合格だったんだ」
「あなたが?」
「うん、なんでだと思う?」
「なにかやらかしたとか?」
「ちゃんと真面目に受けたよ」
「そっか、だったら考えられるのはひとつじゃない?」
「ひとつ……かぁ…貴族撤廃派?」
「多分、いや十中八九貴族撤廃派が絡んでる」
「でも僕は貴族って言ってないよ?服装も気をつけたし」
「どこかでバレたんじゃない?」
「どこかってどこだよ」
「さぁ、誰かに貴族って話したとか?」
「誰かねぇ……あ」
「どーした?」
「いや、この前アランと初めて会った時に貴族だって名乗ったけど…さすがに関係ないか」
「どうかな」
「アラン……決めつけるのは早いんじゃない?」
アランが?
あの人は迷子になった俺を助けてくれた。
近衛騎士団の団長で、気さくで、困ったときは頼れと言ってくれた。
そんな人が、俺を不合格にするために裏で動いていた?
……いや、考えすぎだ。
でも、もし本当にそうだったら?
俺はまだ、あの人のことを何も知らない。
いや、アランが知人に俺の話をしたとしよう。
その知人がもしかしたら貴族撤廃派との関わりがある、とか有り得るかもしれない。
けど、考えたくないな。
「今回の不合格ってどうにかならないかな」
「多分無理だと思う。私も教師として潜入するけどそこまで調べれるかはまだ……」
「わかった、このことは父様に報告したあと家の諜報部にも調べさせよう」
なんだか腑に落ちない結果だが仕方ないといえば仕方ない。
まだ前期試験だ、後期の時にはもう少し対策が必要という訳だ。
「とりあえず…帰るか」
「帰りましょ、あまりに気にしないで。今回のことは仕方ないわ」
「まぁ、そうだね……」




