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もう一度 〜やり直しのきかない人生〜  作者: 優しさ透羽
第1章【入学編】

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第1話【平面世界】

俺は5歳になった。

地方貴族なこともあって英才教育を受けてきた。

この世界にも少し詳しくなった。

まずこの世界は地球とは違って平面らしい。

主な大陸は5つ、自然豊かなフィン大陸、荒れたリーウェン大陸、砂漠のリステカ大陸、熱帯雨林のサラムン大陸、謎多き氷山のセルデ・ラデンの5つだ。

その中でも人族が住んでる大陸は限られてる。

俺が生まれたフィン大陸、リステカ大陸、サラムン大陸の3つだ。

リーウェン大陸は魔族が支配してるらしい。

人族も通ることはできるが居住は認められないらしい。

まぁそんなのはどうでもいい、どうせ俺はフィン大陸から出れないだろうからな。

俺が生まれたフィン大陸には2大国家がある。

人族以外とも共存を認める人魔共存主義のレイサル共和国、人族以外受け入れない神様絶対主義のサーデス神聖国だ。その他にも小国がいくつかあるらしい。

そして俺の生まれはレイサル共和国の端の方マナ地方の領主レイバルト家。

隣に位置するリーウェン地方との架け橋を担う地方らしい。

その他の大陸のことはまだ詳しく習ってない。

まぁ習ってないだけで俺は独学で調べてたりもする。

ライやルーシャ達に色々聞くけどセルデ・ラデンについては他の使用人含め誰も教えてくれない。

教科書に謎多き大陸なんて書かれてたら気になるだろ。

ここは父様や母様に聞いてみるか。

考え込んでいると部屋の扉が開く。


「ヴェルディン様、お料理の準備が整いました」

「ありがとうルーシャ、いつもご苦労さま」

「いえいえ」

「ところでルーシャ」

「はい、なんでしょう」

「なんでそんなによそよそしいの?」

「失礼しました。執事長より言葉遣いに気をつけるようにとお叱りを受けましたので」

「僕にはいつも通りでいいよ。その方が僕も嬉しい」

「かしこまりました。じゃーヴェルご飯できたから着替えて」

「ふふっ、りょーかい」


俺はルーシャのことは気に入ってる。

肌が白くとても可愛い。

ボーイッシュな髪型なのにメイド服がとても似合ってる。

普段は無表情だがたまに笑う顔に俺は惚れ……うん、惚れてはないな、可愛いと思ってるだけだ。

そんなルーシャも俺の事を小さい頃からお世話してくれてる。

あれ?俺って5歳だよな、生まれて5年経ったんだよな、それにしてはルーシャの容姿が変わってないような…。

まぁいいか、美容に気を使ってるんだろう。

俺は着替えて食堂に向かう。


「父様、母様、おはようございます」

「おはようヴェル、今日はお寝坊さんかな?」

「すみません父様、朝から考え事をしてたら時計を見るの忘れてました」

「あまりルーシャに面倒かけてはダメだよ」

「すみません母様、気をつけます」

「ところで父様、ひとつ質問よろしいでしょうか」

「なんだい」

「最近この世界について色々調べてるのですがどの教科書にもセルデ・ラデンについて記載がないのですがどうしてでしょうか?昔話の英雄譚には氷山と記述されてますがただの氷山なのでしょうか?」

「……セルデ・ラデンについては誰も知らないんだ。理由はひとつ、あそこから生きて帰った者がいないからだ」

「そうですか、かしこまりました」

「ヴェル」

「はい母様」

「セルデ・ラデンについて興味を持ってはいけませんよ」

「…それはなぜでしょうか?」

「……この話は終わりです」


何かまずいことでも聞いたのか?

セルデ・ラデンとは一体なんなんだ。

朝から食卓の空気が重い…。話を変えよう。


「それと父様、お願いがあります」

「なんだい」

「僕は来年から貴族の学校に通うと聞いてますがわがままを言ってもよろしいでしょうか?」

「言ってみなさい」

「僕は剣術や魔術を習いたいです。貴族としての勉強はルーシャやライに教わります。なので学校は剣術や魔術が学べる所に通わせては頂けませんか?」

「どうして剣術や魔術を?」

「英雄譚に憧れたわけではありません。セルデ・ラデンに行きたい訳でもありません。ただ、剣術や魔術に興味を持ってるだけです。」



嘘です。英雄譚に憧れました。冒険者になりたいです。貴族なんて嫌です。礼儀作法なんてごめんなさいです。せっかくの異世界転生を貴族生活で終わらせたくないです。剣で戦って魔法を使って異世界ファンタジー楽しみたいです。なんて口が裂けても言えない。



「あまり貴族が危ない真似をするのは良くないのだが…」

「母様も以前冒険者をやられてましたよね?」

「どこでそれを!」


サラシアがすごく驚いた表情で俺を見ている。


「やっぱりそうでしたか!貴族が治癒魔法を使うなんておかしいと思ったんです!」

「サラシア、ヴェルが1枚上手だったようだな」

「あなた…ヴェルに危ないことは…」

「まぁなんだすぐ危険な場所に行くわけではない。とりあえず剣術と魔術を学びたいのであれば冒険者学校に通わせて無事卒業出来たらまた話そうではないか」

「ありがとうございます!」


きたぁ!!!冒険者学校だぁ!!!

異世界転生主人公らしく俺には魔法の才能があって冒険者学校で一目置かれる存在になる!!!!!



はずだったのに……。

前期試験でまさかの不合格……。



俺……まじか……。

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