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宇宙工場サブファイロット 05章 探索機の去来6

「おっしゃるとおりです、スペア様。厳密にはパズサワーから移送されたロボットだけでなく、ライトタワーの正規ロボット軍に属するロボットも戦闘に加わったと思われますが、その詳細な記録はありません。」

 突然、ボルトが長い髪をひるがえしてパドとロボットの間に割って入り、恐ろしく早口で口走った。

「このおしゃべり、パドの気持ちも考えないで、なんて奴だ! コード004、55968821―TGS et007、10222542―GGL、3578に戻れ! A3、R4、I222の撤収を援護しろ!」

 一気によどみなく言ったボルトの肩を大きな手がつかみ、彼女の前に大柄の男が躍り出るまでわずかな時間もかからなかった。しかし、既に赤と青の巨大ロボットがアームを構えて彼の行く手を阻んでおり、白いロボットは奥のドアへ悠然と去っていく。一瞬の間の後、パドはボルトを振り向いて両頬を強く挟み上げていた。


「ロボットを呼び戻せ! ボルト!」

 恐怖で言葉を失い、浅く呼吸するボルトを、スペアとナットが「何するんだおっさん!」「パド、やめて!」と力ずくで引き離す。反動でボルトは床に転がり、呆然とした目を宙に泳がせた。その表情にパドはすぐ後悔したが、それでも感情を抑えきれずスペアとナットを振り返り、肩で息をしながら、

「あのロボットを呼び返してくれ。話がまだ終わっちゃいない。」

 スペアは相手を押さえたまま、動揺を隠せない声で答えた。

「ボルトがロボットの発声をロックした。あいつが再調整しないと、ロボットは話が出来ないんだ。」

 パドは倒れたボルトに目を向けた。彼女は床に転がったまま、

「ナット、助けて。力が入らない。」

と消え入りそうな声をあげた。弱々しく頭をもたげるボルトにナットは急いで走り寄り、助け起こしながらパドを睨みつけた。


「パド、いくら何でもひどいよ! ボルトに何て事するの! 見損なったよ!」

 そして心配そうに背中をさする。うなだれたボルトは、髪の間からじっとパドを見ていた。その目が、ナットと一緒の私にさっきのような乱暴はできないだろうと語っている。パドは黙って後ろのスペアを見、それからボルトとナットを見下ろすと、「悪かった」と小さく言った。



次回更新は7/3の予定です。

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