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19.開戦・スパルトイキング・ドゥレム

今年はこれで最後です!これからもよろしくお願いします!

私はゾンビ達の大元であるスパルトイキング・ドゥレムに半ば飛び込む形で接近し、右腕で攻撃を加える。魔法を除いてはこの右腕だけが頼みの綱である。耐えてくれよ……私の右腕ぇ!


「グオオオオオオオオオオオオオ!」


スパルトイキング・ドゥレムはその手に持つ鉈を大振りでぶん回すが、あれに当たる気はない。マゾカローヴァなら喜んで当たってたかもしれないし、そうでもないかもしれない。奴の軌道を読みながら、やや大きめに回避行動をとる。まだどんな攻撃を持っているかわからない。そして私の攻撃は通ってないことは無さそうだが、効果は薄そうだ。物理耐久は高めなのか。土壁みたいな体の癖に。


「ドゥアアアァァ!?」


ゾンビがこちらに飛びかかってくるのを避け、頭をカチ割る勢いで右腕で殴打する。するとゾンビは動かなくなる。



〈Expを42獲得しました。〉


……頭が弱点なのか。あまり生体兵器ものをやらなかったからゾンビと対面するのははじめてだ。こんな経験したくなかったしこれっきりにしてほしい。


一度奴らから離れて状況を見る。戦力外の村人は一番強固そうな村長の人の家へ避難させ、一部の戦力になりうる人たちが農具を武器にして戦っている。ゾンビの胴体やら足やらを鉄製農具で切ったり叩いたりする。無論これは効果的である。しかしこれがいつまで持つだろうか……出来ればこれ以上強いのが出てくるのは勘弁願う。


「グオオオオオオオオオオオオオ!」


スパルトイキング・ドゥレムがこちらへと走りよってくる。鉈をぶん回しながら。道中にいた村人を2.3人ほど乱暴に鉈で弾き切って。私は姿勢を低くし、加速体勢をとる。奴の腹めがけて体当たりし、右腕で風穴を空ける。


「グオオオオオオオオオオオオオ!」


これでも倒されないようで、奴は武器をおいてなにやら地面へ手を置いた。そしてそこから邪悪な黒い霧が波紋を造り出し、こちらへと放たれる。無論逆サイドもだ。


「うわぁぁぁ!!」

「やめろおおお!」


村人達が叫び声を上げる。なんだあのスキル……。近くにいた村人達が吹っ飛ばされていったぞ。私は姿勢を低くして踏ん張りを利かせ、なんとか吹き飛ばされはしなかったが、距離も近いし吹き飛ばされていてもおかしくなかった。モンスターじゃなければ。……にしても寒気が……。あのスキルの影響か突然風邪をひいたような寒気が襲う。寒気だけなら大した問題ではない。周りを見ると、そこは地獄絵図であった。

毒になったのか苦しみ悶えるもの、先程まで苦でなかったゾンビに突如怯えはじめるもの。体が麻痺して動かなくなるものなど様々であった。そしてそういった村人達にゾンビが近寄ってくる。…………どうしてこうなった。恐らくだが先程スパルトイキング・ドゥレムがこちらへ放ったスキルは、災厄の種の源、デスペルで間違いないだろう。前に一度、私もそういったスキルを使ったからね。犠牲は厭わない。肩に乗っかっているガッツドラゴンが毒になっていないことを確認し、動けない村人達に近寄るゾンビの首を一つずつ切り落としていく。



〈Expを42獲得しました。〉

〈Expを42獲得しました。〉

〈Expを42獲得しました。〉ガッツドラゴンのレベルが14に上がりました。

〈Expを42獲得しました。〉インサーニアのレベルが25に上がりました。



まだゾンビ達はいるが、足が切られてろくに歩けない者や、真っ二つになった体同士をブクブクと泡を立てながら結合しようとする者など……戦力になりえ……な……くない。私は今すぐそのゾンビの首を切り落とした。すると泡が立たなくなり、結合の動きはみられなくなった。


〈Expを42獲得しました。〉


あぶねぇ……再生しきったらまた襲ってくるってことだろ?流石にそんな無限ループは避けておきたい。一瞬の判断ミスが死だからだ。無駄な消耗はしたくない。


「グオオオオオオオオオオオオオ!」


スパルトイキング・ドゥレムの動きはそこまで速くない。人間の頃の私なら間違いなく軽く捻られて死ぬレベルだが、人間の時よりも身体能力は大きく上がっている。魔法を使ってくることは予想外だが、あとは鉈さえ気をつけておけば怖くない。そう感じた時、私の体の調子が戻った気がする。寒気が退いたからだろうか。私は奴に一気に接近し、ありったけの力で右腕を奴の顎に叩き込む。人型モンスターの脳は頭部にあり、アンデッドモンスターで知能が低いとしても行動すべてを司るのは脳だ。だから頭部(顎)に一撃かませば大きなスキができるはず。


「グオオオオオオオオオオオオオ!?」


予想通り。スパルトイキング・ドゥレムは脳震盪か、それに近いものを起こしたらしく、立ったまま体をふらつかせている。そのスキを活かさない手はない。右腕でひたすら体を殴打していく。殴る度にスパルトイキング・ドゥレムの体の一部が剥がれ落ち、飛び散っているようにみえる。数十~数百まで殴打したところで、奴は手に持つ鉈に力を込めたのが見えたので、すぐに距離を取る。……あそこまで殴ってもまだ耐えてるのか……なんちゅう耐久だよ。本当に同じCランクなのかあいつ……。


「グオオオオオオオオオオオオオ!!」

「毒のポーションです!受け取って!」ブゥン!!


振り返るとマリンがガラス瓶をこちらへおもいっきり投げてきた。その距離は2.30mくらいか……?並みの女の子に届く距離なのかは微妙なとこ……いや、届いてない!やべぇ!さっき15に満たなそうって思ったばかりじゃねぇか!!


私は瓶目掛けて一直線に全力疾走する。うおおお!届けぇ!こんの糞やらぁぁ!!


パシッ ズサー……


っあっぶねぇ……!地面すれすれのところで無事キャッチできた……もしミスったら私に毒が回ってたし、恥ずかしい。前者は耐えられるが後者は死ねる。私は立ち上がりスパルトイキング・ドゥレムを睨む。



絶対倒してやるからな。

なんとか仕上げられてよかったー……(。・ω・。)もうすぐ20話か……疾走作者にしては書けた方なんじゃないかな

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