18.死屍累々を束ねる王
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私がマリンの家を出ると、ガッツドラゴンが牛の脇腹をベビーナックルで殴打しているというシュールすぎる姿が目に留まった。あまりにも衝撃的で私の体は数秒間硬直していた。暫くするとガッツドラゴンが私の方に駆け寄ってきた。2本足でトテテと歩きよってくる姿は可愛いが、流石に人様のものを殴ったりするのはダメだろう。家畜であったとしても…………
…………ところでなんだあの牛、ガッツドラゴンに敵意を見せるわけでも逃亡するわけでもなさそうだ。寧ろなんか、もっとやれっていってるような…………おい解説。あの牛って……
マゾカローヴァ(ランクD相当)
モンスターではなく、家畜として扱われる。おとなしい性格だが、攻撃をうけると笑みを浮かべたような顔をする。また、何処かの研究では殴れば殴るほど肉が美味しくなるという研究成果がでているらしい。
…………
え?マジかよ……こんなモンスターもいるんだな……。自然界とは広いものだ。当の家畜の所有者もうちのガッツドラゴン見て微笑んでるし、ちょっと感性狂って気がしますよ。あなた。所有者さんはその場で鉈庖丁をもち、マゾカローヴァを上から切った。一刀両断というべきか。
〈Expを40獲得しました。〉ガッツドラゴンのレベルが13になりました。進化先、ラプトルを解放しました。未解放はディノスレータ-、イピリア、リトルワイバーン、ヘビーパキファローです。
ここで解放がくるか。正直なところガッツドラゴンにもそろそろ戦力になってほしいとは思ってたところだ。さぁ進化ルートを見ていくことにするか。
ラプトル speed↑ defence↓ (ランクD)
羽毛が生えた恐竜型モンスター。ラプトルに認められた人間はラプトルライダーとして、時速60キロメートルの風を感じることができるといわれている。
ディノスレーター attack↑ defence↓ (ランクD)
鋭い牙や爪を用いて獲物を狩る獰猛なモンスター。トサカには宝石のエネルギーがあり、進化をするためにそのエネルギーを蓄えているといわれている。
イピリア vit↑ speed↓ (ランクE)
別名、森の落とし子とも呼ばれ、幸福を呼ぶ縁起物とされている自然竜の幼体。風魔法や回復魔法を扱うものの、物理攻撃の手段はなく、浮いているためか活発さは感じられない。
リトルワイバーン speed↑ defence- (ランクE)
翼竜の幼体であり、広い進化先をもつ。噛みつきからブレス攻撃までドラゴンのそれと変わらず強力。とはいえリトルなので限界はある。
ヘビーパキケファロー attack↑ ma↓ (ランクC)
頭蓋骨が固くなり、強烈な頭突きを放つことができるようになった。また頭突きだけではなく、リーチが短いもののパンチ攻撃もできる。翼は退化しきってとべない。
これはもう……リトルワイバーンでよくない?ディノスレーターは前戦ったとき強くなかったし、ヘビーパキケファローは強いけど論外でしょ。あれ。物理攻撃の手段がないイピリアも論外。ラプトルは非はないけどリトルワイバーンが良すぎるんだわ。もう。まぁリトルワイバーンだけでもいいけど、念のため進化条件は確認しておくとするか。
ラプトル
レベル13以上
ディノスレーター
レベル12以上、attack実数値40以上
イピリア
レベル15以上vit実数値100以上
リトルワイバーン
レベル14以上、speed実数値28以上
ヘビーパキファロー
レベル20以上、attack実数値50以上
……きつくないか?全体的に殺意を感じるようになった気がする。この状態でイピリアルートは無理なんじゃないか?ちょっとガッツドラゴンのステータスを失礼するよ。
ガッツドラゴン(ランクE)
Lv13/50
Vit43/43(0)
atk30(0)
dif27(0)
spd24(0)
ma17(0)
mp20/20(0)
スキル、べビーナックル、べビーパンチ
生涯スキル、災厄の尾
ステータスは良好っ……てちょっと待てぇ!!災厄の尾ってなんだよ!?明らかに私が原因なことくらいわかる。こういうのって進化先に影響するんだよね!?ね?今から尾を切り離した方がいい!?
〈災厄の尾〉
魔族モンスターと共に行動するモンスターに付くスキル。自らの気づかぬ間に邪竜への道へと導かれている。
……救いはないんですか?私がゲテモノルート進んで後悔しかけてるからこの子はドラゴンの道へ進めてあげたというのに……無駄だったってことか?違うのか?ん?
「がうぅ!がうぅ!」
肩に乗っていたガッツドラゴンがこちらを不安そうに見る。私はガッツドラゴンの頭を撫で、落ち着かせる。そうだな。まだ修正はできそうだ。時間もまだ夕刻。……にしては日が沈みかけてる頃か。(ドォン!!!)
いきなり何かを突き破った音が響いた。木製の柵壁に大きな穴を開けたそれは、茶色の肌をしたモンスターだった。そして前屈みになっていたのか、姿勢を戻したモンスターは、3m程の巨体に、骨が血管のようにそこらじゅうに浮き出ているのが特徴であった。
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
こいつがスパルトイキング・ドゥレムか……。右手には鉈のような武器を持っているが、その大きさも人間が使うものとは比にならねぇ。そんであの鉈で何人殺ってきたことか、返り血がべっとりとついていた。更に奴が開けてきた穴からゾンビがヴァーヴァー呻きながら入場してくる。なかには入るのに手惑って強引に潰された奴もいるけど。
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
「ヴァーヴァー」「ヴァーヴァー」
開戦か。犠牲は最小限に!命大事に!
「ガゥッ!」
そして私は奴らのもとへ駆けた。
(。・ω・。)今回戦えませんでしたね。すいません。次回、ついに開戦。これからもよろしくお願いします!!




