16.ヒューマン
(。・ω・。)本当に不定期更新だわこれwww
さて。どれだけこの山林を歩き続けただろうか。ついに森を抜け、山道へと戻ったようだ。先ほどまでは地面には草木が生え揃い、生い茂る木のせいで日光が遮られていた。しかしこの山道は、地面が未舗装に近いものの、車が走ったような荒れ地になっていて、その地を挟むように木が生えてるだけだ。明るい。私はガッツドラゴンを肩に乗せたまま、山道を下っていく。
いくらか下った頃、山道から見えるほどの深さの山林に、一人の人間がいるのが見える。後ろ姿のため顔はわからない。けれどどっしりとしたその姿から、男性であることがわかる。このステータス機能で名前とかわかるのかな……いつもの通り解説をしてもらうことにする。
人間(ランクE)
別名ヒューマン。強さは個体に応じてピンキリで、もっとも能力を可視化するのが難しいものといわれている。ここでのランクは人間の平均的な数値を可視化したものとする。名声をもつ一部の人間には、固有名がつく。
…………
…………。
人間。うん人間。どっからどう見ても人間だよ。わかるよそんなこと。私が聞いてるのはこの人の名前だったりステータスだったりだよ。モンスターみたいな概要欄は望んでないよ。
〈名声をもつ一部の人間に固有名がつく。〉
その説明が聞きたかったんじゃねぇよ。てか名声ってどこからくるんだ。
〈名声は、神族や王族などの一部の特権者により得られ、個体としての名を持つことができる。それ以外の人間やモンスターはあくまでもその種族名として認識される。名前とは個体を分けるためだけにある。〉
ああそうだよ。個体を分けるために名前が必要なんじゃないのか。能力やらレベルはピンキリなんだろ?特に人間は。モンスターに固有名はいらないとしても、人間を人間というひとつの種族名で区切ってはいけないだろうよ。
〈特別でない人間は固有名をつける価値などない。精々村人だったり商人などのくくりで分けるほどである。〉
……とりあえず目の前のやつでいいからなんと呼ばれてるのかくらい教えてくんないかな?
〈めんどい。〉
……おい。ふざけんな。ここに来てはじめて感情突き出してきやがったなこのやろう……。あまりにも煮えきらないが、ここで声を荒げでもしたらうちのドラゴンもビックリするし、目の前の人間に警戒されるかもしれない。
〈人間のどうたらを気にするより、貴女自身強くなるべきです。神に選ばれたといっても、認められてはいません。〉
……うるせえな。認められなくたっていいっての。あの神なんかに。私は私なりに強くなってやるし。思考を終え、私が人間の方へ目をやり直すと、人間の姿はそこになかった……いや。正確には腰を抜かして座りこんでた。
「ひっひぃ……くるな!くるなよぉ!!」
「グワァァァ!!」
人間の目先には、皮膚が緑色に腐りきった人間とは呼び難い人間……人型モンスターがゆっくりとであるが歩いてきていた。体は拒食を思い浮かばされるほど細身である。目は片方飛び出して腐っており、歯などは欠け死体にしても状態が悪すぎる。先程の会話から負い目を感じるが、いつもの通り解説を頼むわ。
ゾンビ(ランクE)
人間が特定負荷の状態で息絶え、死者の姿でモンスター化した姿。その姿から生前の記憶を呼び覚ますことは不可能に近い。知能が低く爪を使った引っ掻きや噛みつきを行う。
そのままのモンスターか。この世界で見ることになるとは思ってなかったけれども。まぁそういう奴がいてもこの世界ならアリか。私はゾンビに急接近して右腕で胴体を切り裂いた。ゾンビは呻くことも叶わずその場に倒れる。私は間をおいて人間の安否を確認する。
「あ……………あ………。」
どうやら気が動転してるだけで怪我などはないっぽい。それを確認すると、私は人間を無理矢理にでもと立たせてその場を離れる。
≧≦
「あっあんた……人間……じゃないよなぁ!?」
人間を背負ってしばらく山道を下っていると、気を確かにしたのか、言葉を発するようになったようだ。どうやら精神面も安定してきたようなので乱暴だがその場におろす。
「その右腕でわかる!!なんだ!魔族の垂れか!!」
「ガァウッ!!」
人間がこちらに対して敵意を見せると、それを感じ取ったのか私の肩に掴まっていたドラゴンが何故か吠える。私に対する擁護か居心地が悪かったことへの敵対心か。
「…………。」
「なんとかいえ!」
「ガァウッ!!ガウガウ!!!」
……話せない。モンスターの体で言葉を発したことないから怖い。通じなかったらどうしよう……感覚と必殺技の察しろで察せるほど冷静じゃないこの男。もしここで言語が通じなかったら和解ルートはないぞ。話したくない。話したくない。
「……い……嫌だ。」ぶるぶる
「ガウガウ!!!」
「…………」
ぶっ倒れなかったものの、私の体は震え上がり、そのまま座り込んでしまった。因みに意図的ではない。コミュ症で一番厄介な震えだ。人と関わりたくないよぅ……
「…………助けてくれたことは礼を言う。私達の村へ一度来てくれないか?救世主になるやもしれん。」
震え上がり動けなくなった体に包み込むような暖かさを感じた。
この世界での人間の扱いってひどいな~(。・ω・。)




