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氷魔法師、氷浦真の日常  作者:
氷浦真
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第一試練、『吹雪』の習得

 瞬間移動じゃなかったら、いったいこの二人はどうやってここまで来たと

 言うのだろう?古い建物だから、他の道で人が通ればすぐに分かってしまう。

 

 桜子と父親の姿を道場に着くまで、一度も見ていない。

 あぁ~もうわけわかんない。

 

 「真さん、考えすぎですよ。そんなに難しいものではないんです」

 「もうダメ。降参!どうやったの?」

 「あら、もう降参なんですね?」と桜子は僕の顔を見て楽しそうに笑った。

  それを見てイラっとしたものの、教えてもらうのだからと思いそこはグッと

 こらえた。


 「真さん、種明かしをする前に質問していいですか?」

 また質問かよ。好きだな、この親子。

 

 「なに?」

 「自分の身体を透明にする魔法ってご存知ですか?」

 「はぁ?そんなの聞いたことないよ。研究所でもそんな魔法使ってる奴見た

 ことないけど。まぁ…透明になる物なら知ってるけど」

 「そうですね。確かにそんな魔法があれば、犯罪に使われる可能性があります

 からね」


 「でも…透明に出来なくても、相手に自分の姿を見せなくする方法はあるん 

 ですよ」

 桜子は僕に自慢げに言う。

 よっぽど楽しかったのだろう。目がキラキラしてる。


 「そんなこと、本当に出来るの?」

 「もちろん。私とお父様はそれを使って、真さんに気づかれずに道場へと

 来たのですから」

 「じゃあ、やって見せてよ。正直、信じられないから」

 「はい。では、お見せしますね」と桜子は僕から少し下がって呼吸を整える。

 

 僕と父親は桜子の様子を静かに見守っていた。

 しかし、何も起きない。もしかして失敗したのか?と思っていると

 桜子の身体がキラキラと輝き始めた。

 

 「っ!?」

 彼女の身体は形をなくして、残ったのは…白い雪??

 それは僕の近くまでやってきてぴゅーと音を立てて通り過ぎていく。

 

 「風か?」と次の瞬間、むぎゅっ!と後ろから誰かに抱きつかれ

 「うわっ!?」と思わず驚いた。振り向くとそこには桜子の姿が。

 

 「驚きましたか?」と笑みを浮かべて抱きつく桜子。

 「びっくりした…もう、やめてよ」

 

 心臓に悪い。

 僕は心臓に手を添えて「はぁ」と溜め息をついた。

 

 「真さん、今のでお分かりになりましたか?これが、私とお父様が使った

  魔法です」

 「じゃあさっき通り過ぎたのって…」

 「はい。私です」


 やっぱりあれは桜子だったのか。それだったら僕が気づかないのも無理は 

 ないか。


 「それって僕にもできるの?」

 「もちろん。ですが、これには魔法のコントロールが良くないと出来ません」

 「簡単だと思われるけど、集中力が必要だから習得するとなるとかなり精神

  的にきつい。真にはまずこの魔法を習得してもらう。これが出来ないと

  最後に習得することになる『氷華ひょうか』までたどり着けないから

  ね」


 「ちなみに、さっきの魔法の名前はないんですか?」

 「魔法名は一応、『吹雪ふぶき』となっている。なぜそんなことを?」

 「いえ。ちょっと気になっただけです」

 「そうか。とりあえず、明日の朝からここで桜子と一緒に稽古をしなさい。

  『吹雪』のやり方については桜子が知ってるから、教えてもらうと良い。

  本当なら私が教えなければいけないんだが、また明日から仕事でね。しば

 らく帰って来れないかもしれないんだ」

 「…分かりました」

 

 何の仕事かは知らないけど、本当に忙しいんだな。

 

 「じゃあ、今日はここまでにしよう。引っ越しとかでいろいろ大変だった

 だろうから、明日に備えてゆっくり身体を休めるといい」

 「はい、お父様。真さん、行きましょう」

 「えっ。でも…「お父様が休めと言ってるんです。それにお部屋の片づけ

 まだ終わってませんし、今日中に少しでもしておきましょう!」と桜子に

 引っ張られて僕は道場を後にした。



 


 


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