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氷魔法師、氷浦真の日常  作者:
春日野氷麗
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春日野氷麗


  だが結局、僕は桜子の要求に渋々応えてメイド服を着ることになった。

  一応言っておくが、これは僕の意思じゃない、好奇心旺盛な姉の命令で仕方なく着てあげるだけ

  なんだからっ!!


  けれど、女子高校生が作ったメイド服だし、男の僕が着れるとは思えないとも考えたわけで…。

 

 

  「これがそのメイド服だ」 

  「…」


  なんか想像していたのと違った。

  前の学校…体芸祭の時に着たメイド服と違い、千優が大きなクローゼットから丁寧に取り出して

  見せられたのはシンプルなロングドレスでミニスカートではなかった。


  

  「まぁ、試しに着てみてくれ。私達は外で待ってるから」

  「あぁ…うん」

  「真先輩、何か困ったことがあったら呼んでください」

  「ありがとう」


  とはいうけど、服が脱げませんって時…どうすればいいのかな?

  まぁ…たぶんそれはないと思うけど。


  千優達が部屋を出たのを確認すると、僕は上の服のみを脱いでメイド服に袖を通すことに。

  

  「…やっぱきつい」

  「胸はぶかぶかなのに。やっぱりサイズ合ってないし、そもそも男が着る物ではないし…。

  まぁ、でも桜子に見せないといけないからぱっと見せてぱっと着替えよう」


  

  僕はメイド服を着たまま、彼女達が待つ部屋へと早歩きで向かいドアノブに手を掛けようと

  した時だった。


  ガチャン!!バンッ!!

 「いてっ!!???」

 

  僕の手より先に扉が勝手に開いて、思い切り顔面を強く当たってしまう。

  いったい何が起きているのかさっぱり分からないまま…。


 「真さん、逃げてくださいっ!」

 「ってぇ…」


 「(逃げるってどこに?っていうか、今それどころじゃないんですけど…)」と僕が鼻を右手で押さ

 えていると黒髪ポニーテールでいかにも賢そうな感じの女子生徒が姿を現す。


 「…氷浦真、先輩…ですね?」

 「…そうだけど?あんた誰?」

 「私は一年の春日野氷麗 (かすがのつらら)。枯野さんのクラスメイトです」

 「…」


 『友達はその…男の人の話をすると変な顔するんです』

  僕は枯野と出会った時のことを想い出す。彼女が言っていた友達のことを…。

 

 「(ひょっとして…彼女が言ってた友達ってこの子のことかも…)」

 「氷浦先輩。初対面でこう言ってはなんですが…私はあなたのことが嫌いです」

 「春日野さんっ!?」

 「そっ。僕もあんたとは初対面だし、こんな格好で言うのも悪いけど…僕もあんたみたいな女は

  嫌いだよ。特に年下はね」

 「真さん、なんてことをっ!???」


 

 「そうですか。それなら話は早いですね」

 「ん?」

 「春日野さん、何を…」

 「氷浦先輩、私は貴方に…決闘を申し込みます」

 「「「えっ!??」」」

 

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