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氷魔法師、氷浦真の日常  作者:
恋愛相談?
34/46

木野原崇司との再会


 そして休みの日がやって来た。

 

 「ねぇ、桜子。今更だけど僕達ここにいるのまずいんじゃない?」

 「そんなことありませんよ。枯野さんがお父様にお願いして招待状を送ってくださったんですから、

  問題ありません」

 「いや…その…。周りの人達を見てると僕って場違いだなってさ~」

 「真さん、私達は枯野さんを見守るためにここに来てるんです。余計なこと考えず、そっちに集中する

  べきだと思います」

 「…それもそうだね。でも大丈夫かな?桜子はともかく僕は有栖川に顔ばれてるし「あっ、いらっしゃ

  ったみたいです」

 

  正直、同姓同名であってほしいと願っていたこともあった。だけど、僕の願いはすぐに崩れてしま

  う。遠くから見ても、あれは完全に僕が知っている有栖川満彦だったからだ。


 「大丈夫かな…」

 「どうでしょう?でも、すごくにこにこしていらっしゃいます」

 

  苦笑いにしか見えないのは…僕の気のせいだろうか?引きつってるように見えるんだけど…。

  目が悪くなったのかな?



 「おや。こんなところで珍しい」

 「「っ!??」」

 「久し振りだな、雪村」

 「きっ、木野原…「これはこれは崇司様。お久し振りでございます」

 

 僕の声はどこかから来た60代の男性の叫び声で吹き飛ばされる。木野原は僕達が向けていた顔とは

 別の顔になり、爽やかな青年となった。どうやら魔法師一族の関係者?ってところだろうか、挨拶だ

 け済まして男性はすぐに座っていたテーブルへと帰って行った。


 「父の昔馴染みだ。まさかこんなところで会えるとは…」

 「それはこっちのセリフだよ。こんなところで何してるわけ?ひょっとしてあんたも誰かと食事?」

 「まさか。俺は有栖川の様子を見にここへ来ただけだ」

 「木野原様。お席の準備が整いましたので、ご案内致します」

 「あぁ。お前達も来るか?人目を気にせずにゆっくり出来るし…あの二人の様子もじっくり見れる」

 「…桜子」

 「行きたいです」

 他の客がいるためか小声で言う桜子に、僕は「やっぱりそういうよね」と呆れてしまう。

 「じゃあ…お言葉に甘えさせてもらいます」

 とりあえず誘ってもらったので木野原に敬語を使ってお願いすると、少し僕をじっと見て隣にいた

 店員に話しかける。

 「と言うわけだ。二名追加する」

 「かしこまりました。ではこちらへどうぞ」


 

 案内されたのは、和室だった。なんかレストランというより…旅館っぽい。店員が僕達に注文を聞く

 と、木野原が適当に何かを頼んですぐに部屋を出て行った。正直、何を頼んだかは知らない。それよ

 りも枯野と有栖川の件についてこの男に聞きたいことがたくさんあったので、店員が出てすぐに僕は

 木野原に尋ねる。


 「なんで枯野さんに有栖川を推薦したわけ?」

 「有栖川は俺の可愛い後輩だ。見合いするのがめんどくさい・結婚相手は自分で見つけると言って

  断り続けた結果がこれだ。父親にとんでもない見合い相手を紹介させられそうになり、俺に泣き

  ついてきてな」


 『助けてくださーい!!』


 「うわぁ…なんか想像がつく。あまり良く知らないけど…」

 「かわいそうですね」

 僕と桜子は有栖川に同情する。いったいどんなお見合い相手だったんだろう…。


 「それで親戚の枯野さんと有栖川を婚約させたってことか」

 「そういえば雪村は星羅に通ってるんだったな?どうだ、女子高に通ってる気分は?」

 「普通だよ。桜子と同じクラスだからっていうのもあるからだろうけど」

 「そんなことありませんよ。皆さん、真さんのことを大切に想っています」

 「大切に想ってる?それは友情?それとも愛情?」

 「両方です!」

 「あっ…そうですか」

 

 友情と愛情、両方を持ってるなんてことがあるのかな?聞いたことないんだけど…。

 これもお嬢様学校あるある??


 「俺の目の前で堂々といちゃつくとはいい度胸をしているな、雪村」

 「何言ってるの?桜子と僕は姉弟だし。いちゃついてなんてないよ」

 「そうか。…ん?」

 「どうしたの?」

 

 僕は木野原と同じ方向を向くと、さっきまでいたはずの枯野と有栖川の姿がなく僕と木野原は声を

 揃えて「「いないっ!??」」と叫んでしまう。

 

 いったい、どこへ行ったんだ!??

 

 

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