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卒業と修学旅行と進路

昼食を食べ終わった後、桜子は沼口を捕まえて修学旅行の話をアリスと共に聞いていた。なんでアリス

も一緒に連れて行ったのかは良く知らない。でもそのおかげで影富先輩と二人で話すことが出来たこと

には感謝する。もちろん、これは先輩に聞きたいことがあるからで本当は二人きりとかなんて嫌だけど

…。


「ねぇねぇ雪村君」

「何ですか?」

「三好さんと雪村君って付き合ってるの?」

「えっ?何ですか?もう一度言ってもらえます?」

「三好さんと雪村君って付き合ってるの?」

「すみません。聞こえてましたけどそれをアリスに聞こえるように大声で言ってもらってもいいですか

 ?」


「三好さんと雪村君って付き合ってるのかい!?」

「はっ、はぁああああ!????なんでそんな話になってるのよ、真!?」

「雪村君これで良かったの?」

「ばっちりです。無理にお願いしてすみませんでした」

「ちょっと話勝手に進めないでくれる?!」

「ごめんごめん。冗談だから」

「冗談ですって!?」

「っていうか気づいてたのに反応しないから、わざわざ先輩に無理言ってお願いしたんだけどね」

「っ!??」

聞えないふりをするから悪い。それにさっきのリアクションも明らかにいつもの彼女とは違うのは

桜子でさえも分かっていた。



「雪村君、ずいぶんと三好さんと親しくしてるみたいだけど…まさか本気じゃないよね?」

「本気だったらどうするんですか?」

「僕が棗さんの代わりにお説教するよ!?通じないかもしれないし、全然嬉しくないかもしれないけど

 それでも僕は頑張るよ」

「確かに嬉しくはないですけど、頑張らなくていいです。冗談ですから」

あと工藤さんに説教されるのも嬉しくはない。怒られてるのに嬉しいわけないし。

この人は僕のことをいったいなんだと思ってるんだろう?


「雪村君、ここに来てから性格がほんわかしたんじゃない?三好さんをからかったり、こうやって冗談

 言ったりなんかして…研究所の人達が今の君見たら多分「明日は大雪になって日本は崩壊するんじゃ

 ないか!??」って言うと思うよ?」

「いや、さすがの僕でも国一つ滅ぼすことなんて不可能ですよ。そんなの神の領域ですって」


そんなことが出来るなら、桜子も僕も神様として扱われる。いや、この場合は魔法師一族がなるかも

しれないな。あっちの方が強いだろうし…。


「話変わるけど、三好さんって誰かに似てる気がするんだけど…僕の気のせいかな?」

「いや先輩。それ気のせいじゃないと思いますよ?」

やっぱりこの人も気が付いたか…。


「三好さんってさ、力輝さんに似てると思うんだよね」

だけど僕の予想は大きく外れた。先輩は南條ではなく、力輝に似てると言ったからだ。

力輝に似てるって…。


「先輩、大学が忙しすぎて視力悪くなりました?」

「いやいや。そんなことはないよ?っていうかそれは心配してるの?それとも…「ただの悪口です」

「うわぁ~久し振りだ。この感じ!なんだか嬉しいなぁ~」

やっぱり雪村君はこうでなくっちゃね!と影富先輩が急に抱きついてきたので、僕はしまったとばかり

に彼を必死に引きはがそうとする。

「やめろっ、抱きつくな!??」


久し振りなのは分かるけど、正直抱きつかれるのは御免だ。

それよりも何でアリスが力輝に似ていると思っているのかが、僕にはさっぱり分からないので本人に

直接聞いてみることに。


「先輩、なんでアリスが力輝に似てるって思ったんですか?容姿も性格も全然違うのに」

僕から見れば、力輝よりも南條の方が性格は近いと思ってた。なのにどうして力輝?

さっぱり分かんない。


「うーんーいろいろ?」

ダメだ。全然分からない。


「とにかくなんか力輝さんに似てる気がするんだよ」

「そうですか…」

似てないと思うけどねぇ…。

「あっ、力輝さんのこと聞きたい?雪村君」

「いえ、いいです」

「本当に?」

「本当です」

「本当の本当に本当?」

「しつこいな。本当だって言ってるでしょ?」

「…そっか。分かったよ」


それからしばらくして影富先輩は沼口と一緒に帰った後、僕達は道場に戻って夕方まで稽古をしていた。


「影富先輩からのお弁当がありましたから、それを食べましょう」

「いいの?私まで…」

「今ここにいるのはお母様を含めて三人しかいないから、一人増えても大丈夫だよ」

「そっ、そう。なら、お言葉に甘えて…」


と、いうわけで早速影富先輩のお弁当を四人で食べることにした。


「影富先輩、料理お上手ですね?」

「この卵焼きすごく美味しい…真、あの人何者なの?」

「ただの怪しいオカマだよ。いろいろ知ってるから気を付けなよ?」

「真と桜子の先輩なんでしょ?そんな言い方は失礼よ?」

「そうですよ、真さん。影富先輩は良い人です」


「確かに良い人ですけど、謎が多すぎますよ?っていうか桜子まで…」

「何だか長い間会ってないような感じでした。今度は南條さん達にも会えたらいいですね?真さん」

「…そうだね」


長い間会っていない…か。

本当はいろいろ聞きたいことがあったけど、結局聞けなかったな。

まぁ、感づかれてたみたいだけど…。


アリスを途中まで送って、僕は自分の部屋へと戻った。すると、見慣れない物が机の上に置かれるのに

気が付く。


「…なにこれ?やけに分厚いな??」

恐る恐る中身を確認すると、どうやら写真のようだった。


「先輩、まさか…」

僕は思い当たることがあった。帰る前にお手洗いを貸して欲しいと言って、桜子に付いてってもらった

ことに。恐らくあの時彼女に僕の部屋を…。


「直接渡せよ。本当に」

写真を一枚一枚見て見ると、最初は卒業式の時の写真。影富先輩は僕と桜子の一つ上の先輩。なので

これはその時に撮られたものだろう。その証拠に力輝・南條・沼口・影富先輩の四人が写っている。

だがそれにしては写真の枚数が多いなと思っていると、沼口が行った北海道の修学旅行の写真が入って

いた。


「めんどくさかったのかな?」

それともただ忘れていただけか。あいつ桜子に捕まってたし、出すタイミングが思いつかなかったとか

??まぁいいや。


「っていうか…もっと他に撮るものがあると思うんだけど。なんだよこれ」

飛行機に乗るのが初めてじゃないはずなのに、空の写真とか空港の写真とか…。滝の写真はまだ分かる

けど、あとご飯の写真とか…。お土産屋さんなんて撮っても仕方ないだろ?まぁ、沼口らしいけど。


「…ん?なにこれ?」

写真は卒業式と修学旅行の写真だったが、最後に手紙が入っていた。


『雪村君へ。工藤さんは雪村君が氷浦に行ってしばらくして意識が戻って無事に退院して元気に学校

 生活を送っています。あと、修学旅行の写真は沼口君からです』


「いや…見れば分かるって」

『工藤さんは今のところ、進路は進学で南條さんと同じ大学にしようか考えてるみたい。僕の予想では

 …』

「予言書かよ。っていうかこの大学、研究所から結構遠いな?あいつ大丈夫かな…」

あくまでも影富先輩の予想だから、本人がそこへ行くとは限らない。だけど、もしそこの大学に行くと

なれば正直研究所からだと電車を乗り換えて、さらにバスに乗らないといけなくなるかもしれないので

女子にとってはきついかもしれない。今は二年生だから再来年?になることだが、ちょっと心配になっ

てきた。


「力輝はともかく…南條はたぶん落ちるな」

でも一応特進だし、力輝が付いていればなんとかなるかもしれない。


「あぁ~もう、なんかむかつく~!僕全然ダメダメじゃん。なんかイライラするーーー!!」

年下のくせにーと思うこともあったが、自分よりは進路をしっかり固めて決めていることに腹が立った。

でも、それは僕だけじゃないと思う。誰だって目標を持って学校生活を送れているわけじゃないし、

三年になってから慌てて決める奴だっている。でもそれでもむかつくんだ。力輝のくせに、南條のくせ

に…。


「本当…むかつく」






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