第17話 アレグ海賊団
大海原を旅する小さな海賊、アレグ海賊団の甲板で。乗組員のレオは釣り糸を垂らして歌っていた。
「〜〜♪」
テノールが伸びやかに広がる。傍らに置かれた桶には、大量の魚がびちびちと跳ねていた。レオは海面を見つめる。
「……ネレイア」
「どうしたの?」
「あっち、ちょっと見てきて」
「いいよ!」
ネレイアは手すりからぴょん、と飛び降りる。
「どう?」
「サンゴ礁があるよ! 浅くなってる!」
「やっぱり。ガルド、右に舵切って」
船は右へと向きを変える。レオは手すりにつけられた縄ばしごを下ろした。ネレイアが戻ってくる。
「見て見て〜! 貝、取った!」
「食べるには小さいっすね」
「違うよ。腕輪になるの」
「それは売れそうだね」
ミレーユが笑いながら厨房から顔を出す。
「レオ、釣れたかい?」
「いっぱい釣れた」
「よし来た。晩ごはん、何がいい?」
「バター焼きがいいな」
「またかい」
ミレーユはくつくつ笑う。その時、一隻の船が近づいてきた。
「アレグ船長! すみません、助けてくれませんか?」
「お安い……へぶっ!」
「安請け合いしない! それで、何してほしいんだい?」
「西廻り航路の案内と護衛を頼みたい。報酬は弾む!」
「いくらだい?」
「金貨5枚でどうだろうか!」
「相場だね。レオ、聞いてたかい?」
「西廻り航路だね。分かった」
レオは海図を広げ、ペンで書き込んでいく。
「……三日で頼みたいんだが、いけるか?」
「風が弱い。三日は厳しいかも」
「じゃあ、風の歌を歌うね」
「姫さん、オレと一緒に帆を張るっすよ!」
「はーい」
ネレイアの歌声が、海風に溶けていく。青々と輝く海に、黒い帆がはためいていた。
読んでくださりありがとうございました。評価、いいね、ブックマークをしてくださると励みになります。




