第五夜 事情side千幸
「あのさ、できればゆっくり話がしたいんだけど…」
「あっあの、人がいない方がいいです」
「…そっか。じゃあ俺ん家に来てもらっていい?」
「…はぃ」
という事があり今雁ヶ崎君の家の前?というか玄関の前にいます。雁ヶ崎君家は築45年は経っている…いわゆる……おんボロアパート。しかも彼は私の好きな人。ヤバいな…理性たもてるかな?こんな気持なんて初めてだょ。
「…赤依。入ってくれ」
「…おじゃまします」
雁ヶ崎君の部屋はあまりにも殺風景すぎて寂しかった。
「…あの、ご両親は?」
「…いない」
どうしよう。ふれちゃいけない事だったかな…?
だけどとうの雁ヶ崎君は気にしてる素振りさえ見せない。
「…とりあえず座ってもらえる?」
「…はぃ」
私は用意された座布団の上に腰掛けた。
「…何を喋ればいいですか?」
「おれの聞いた質問に答えればいい」
「…分かりました」
なんか空気がピリピリとしてきたょ。
「…まず、何で俺を喰ったりした」
「…ごめんなさい」
「ごめんじゃわかんねーんだけど。ちゃんと説明してもらうためにここに連れてきたんだけど」
「はぃ…昨夜は赤い月だったの」
「赤い月?なにそれ?」
「赤い月は私達に食欲と性欲を増大させるの。私達が喰べる時はだいたいその2つを兼ね備えているの」
「…赤い月については分かった。…だけどなんで俺を喰べる必要があった」
「あのーそれは…あなたに好意をもっていて…それで…あの……」
「…つまりこういう事だ。お前は俺に好意をもっていて、それで赤い月のせいで理性が飛んだ…それで俺を食べた。違うか?」
「…なんでそうなるの!?」
「…もう俺に関わるな」
「なんで!?」
「俺はお前の食料じゃねーんだよ」
そう言い放ち、私を見るその瞳はとても冷たかった。そう、まるで…私達ウ゛ァンプァイヤの長老達の毒々しく無鈍着で冷たいあの瞳と似ていたから…。
「…わかった。もう関わらないね。ごめんなさい」
そう言ってその場を離れるしかなかった。




