第三夜 赤い月side千幸
ヤバいな…赤い月は私の食欲と性欲を掻き乱す…赤い月を見ると私達の瞳は赤い月に反響するように赤くなる。
私が高校に入った理由は、人間観察。私達とは同じような姿をしているのに生態が違う。私は何が違くて、何が同じなのか。研究でもしようと思った。私達の仲間も人間と共に暮らしている者は多い。…純血種を除いては。いちよう私も残り少ない純血種の一人。だから普通ならこんな所にはいちゃいけない…私達は特別だから…。だから、転校初日は心の中でバカにしてた。人間と人間なんかと生活を共にしている同氏達に…。しかもだれでもいいから喰べようとしてた。だけど…時が経つにつれなぜだか彼に惹かれてしまう自分がいた。しかし、それは認めまいとしてきたが…。今その彼を喰べている。ほんとは喰べるつもりなんてなかった。ただ赤い月のせいで…赤い月のせいで血を求めて、だから…。と自分にいいきかせようとしていた。彼は私を運んでくれたのに…血を喰べてないから倒れたのに。朦朧とする意識の中で私は彼が大好きなんでって気付いたのに…。自分の欲にまみれて噛んでしまった。しかし噛んだ所で私の牙は彼の肌を離れようとはせず、しっかりと喰べてしまった。彼の血はとてもおいしくやめられなかった。だけど彼の限界で、彼が私の方に倒れてきて初めて我に返った。
「ごめん…」
つい口にした言葉。私は彼の首筋から零れ落ちていた血を丁寧に舐めとった。ヤバいな…喰べ過ぎたかも。私はいいんだけど…彼は平気かな?私はどうしていいか解らなかったので、とりあえず彼の手を握って血がたくさんできるようにと願った…――




