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【愛犬のんちゃんとの週末旅行】潮岬沖衝突事故・生存報告と現在の状況について(配信動画からの文字起こし)

【配信日】2026年4月16日 21:15公開

【チャンネル名】エリとのんちゃんの二人旅ちゃんねる


(画面映り:ビジネスホテルの室内。壁際にペット用キャリーケース。ベッドの上で小型犬(ポメラニアンMIX)が丸くなって眠っている。画面中央にすっぴんで目元を腫らした女性(エリ)。首には白いシップが貼られている)


 こんにちは、愛犬のんちゃんとの二人旅チャンネルのエリです。

 えー、今ですね、ニュースでばんばん放映されていると思うんですが、潮岬沖の衝突事故に関しまして当事者になってしまいましたので、緊急で動画を録っております。

 まず最初にご報告したいのは、のんちゃんも私も無事、ということです。

 事故の後に、ええとあれは、海上保安庁か警察の方々なのかな、バスで地元のホテルまで送迎していただきまして、現在は部屋で待機中となっております。このホテルはもともとはペットNGとのことなんですが、今回は事情が事情ということで特別に許可をいただいて、のんちゃんも同室でお泊りさせて貰っています。


(カメラを少し横に向け、ベッドで眠る犬を映す)


 はい、……見ての通り、のんちゃんは疲れ切って眠ってます。少し前までは緊張してうろうろしてたんですがようやく落ち着いたみたいです。私はまだ、緊張しているというか、思い出してみて改めて怖くなって来ているというか、まだ気持ちの整理がついていません。

 というのが現在の状況で、ええと、私はもともと台本なしで喋るとか、あまり得意ではないので、これからお話しすることもかなり散漫になってしまうんじゃないかと思うんですが、それでも現場に居合わせた者として何が起こったのかをお伝え出来たらな、と思っています。

 現場で録った動画とかを流せればよかったんですけど、現場検証とかで、カメラとかGopro、中にあったSDカードも全部……なんていうのかな、提出というか押収されちゃいまして。……あれ、戻ってくるのかな。まだ動画化してなかった前回の旅行分も入ってるので、戻って来ないと、本当に困るんですけど、あー、いえ、今言っても仕方ないので、何があったかについて話を戻します。


 あ、その前に、今回の事故があって初めてこのチャンネルを見たという方のためにざっくりと説明させて頂きますと、普段は私と愛犬ののんちゃんと一緒に週末にペット同伴OKな施設へ遊びに行ったりしています。

 それで今回はフロンティア号というですね、ええと、正式名称は「TMC オーシャン・フロンティア」ですね、この船に乗って旅行に出かけていました。

 フロンティア号は横浜港を出発して、神戸港を経由して、そこから瀬戸内海をゆっくり眺めながら博多に向かうという客船です。客室は200室以上あって、乗務員さんを合わせると700人くらいが乗れる船で、デッキにはプールがあったり、ミニシアターなんかも完備されてる凄く素敵な船です。

 私とのんちゃんが乗っていたのは、7階にあるベランダスイートって言われる、フロンティア号としては一番スタンダードなお部屋です。全室オーシャンビューなので眺めは最高で、あんな事故さえなければ絶対また乗りたいって思えるような本当に素敵な船でした。乗務員の方もすごく親切だったし、お料理も美味しかったし、……本当に、なんでこんな事になっちゃったのか。乗務員の方で、亡くなられた方がいるらしいって聞いて……すいません、ちょっと待って下さい、思い出しちゃって、ちょっと、……


(撮影者がしばらく画面から消える。画面には静かに寝息を立てる犬と、外のパトカーのサイレン音のみが微かに聞こえる。約2分後、タオルで目元を拭いながら戻ってくる)


 すいません、大丈夫です。……事故が起きたのは深夜だったので、私ものんちゃんも寝ていました。前日の夜も、星が見えるかなって思ってデッキに出てみたら、すごい濃い霧が立ち込めていたのを覚えてます。デッキがうっすら濡れるくらいの濃い霧で、そんなに陸からは離れていない筈なのに、街の灯りとかはまったく見えなくて。「何だか怖いねー」ってのんちゃんに話しかけてました。海風もかなり冷えていたのですぐに部屋に戻ったんです。

 それで真夜中に、突然こう、床に放り出されて目が覚めたんです。もうなんかこう、もの凄い力でぽーんって投げ飛ばされたみたいに、目が覚めた瞬間には体が浮き上がってて、次の瞬間には壁に叩きつけられてました。部屋のすみに置いてあったスーツケースとかも勢いよく飛んできて、直撃してたら多分、大怪我してたんじゃないかって。

 何が起こったのかまったく分からなくて。ただ、何か重いものをガリガリ引っ掻くみたいな、ゴオオっというか、ギイイというか、耳が痛くなるような金属の轟音が響いて、船全体が何度も大きく揺れて、本当に死ぬかと思いました。

 のんちゃんはケージに入ってて、幸い転がった先でベッドと壁の隙間に嵌まり込んでて、それでそれ以上は転がらないで済んだんですけど、その後も暫くは腰が抜けて動けなくて。轟音が収まってからあちこちで悲鳴が聞こえ始めて、それから船内放送が流れました。確か、状況を確認中だから部屋から出ないで下さいって、最初の放送はそんな感じだったと思います。

 私はすぐにのんちゃんをケージから出して抱きかかえて震えてたんですけど、多分それから10分くらい経ったあとかな、もう一回放送が流れて「沈没の心配はありません」「他船と接触しました」とか、あと「乗務員が巡回に伺いますので引き続き部屋で待機して下さい」とかそういう内容でした。

 その後、実際に乗務員さんが回ってきて、怪我はないかとか確認して下さって、そこから数時間……結局5、6時間くらいは待機してからようやく救助艇が来たと言われたので移動になりました。先にベッドから落ちて骨折した方とかが搬送されて、怪我がなかった人は最後になったんですけど、デッキに出たら相変わらず凄い霧で。人がたくさんいて、ヘリコプターも飛んでるんですけど、それもなんか霧でぼんやりしてて。


 でも、……それでも霧の向こうに、大きな船が見えたんです。フロンティア号と同じくらいの船だったと思います。空は大分白んできていたから、微かに見えたんですけど……本当にあの、幽霊船って感じで。全体がサビだらけで、いま思い出しても本当に、なんであんなものが漂ってたんだって全然分からなくて。うまく言えないんですけど、見た瞬間に全身の血がざあっと引いていくような感覚で、本当に怖かったです。

 それに、風に乗ってなんだか甘い匂いが流れてきたんです。べったりと纏わりつくような匂いで、……理由は分からないんですけど、すごく気持ちが悪いって思いました。


 その後は小型船で港まで向かって、それで今はホテルに泊まってるんですが、……見えますか?これ、まだ手の震えが止まらないんです。その、以上が私が体験したことです。

 今も大勢の方が病院で治療を受けているということなので、皆さんのご無事を心からお祈りしています。

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