小噺その② 関町君は、ロッカーの中
(憧れの関町君。私はいつも見てた。そのカワイイ仕草…お弁当食べてる時の美味しそうな顔、体育の時ひとりだけ上手く出来ない愛らしさ、合唱の時バレない様隠れてるケド酷い音痴の歌声、学校帰りのコンビニでこっそりエッチな本立ち読みしてたり、寝る前にスマホで動画見ながら手の上下運動したり、イビキがうるさかったり、あと…そうそう、死に顔がとってもキュートだったよ。)
須藤カナメはごく普通の女の子。今日も元気に学校へ登校…まだ誰も来ていない教室で、座席の後ろに並ぶ自分のロッカーを確認する。
ガチャガチャ…ガパッ
「オハヨッ!関町君。」
腐敗し血まみれの青年の遺体は、サランラップに全身包まれ…凄まじい形相で狭い場所に敷き詰められている。
「バレちゃ、や〜よ。」
バタンッ!ゴトン…ガンッ!
思いっきり閉めた影響で、内側の物体が動き…扉にぶつかる音がした。
「ヤベっ、隙間から黄色い液体が漏れてんじゃん…スンスン、臭っさ。」
プシュ〜!
消臭スプレーを周囲に振り撒くカナメ。
キ〜ン、コ〜ン
チャイムが鳴り、女教師が教室に入って来た。生徒達は席についている。
「行方不明の関町君だけど、警察の捜索も虚しく…今だ発見されません。何か知ってる人がいたら、先生まで報告してね…どんな些細な事でもいいから。」
教師は悲しげと言うより、疲れた顔で問いかけた。
「先生、ロッカーから変な匂いがします。」
眼鏡をかけた、クラス委員のサチ子が手を挙げアピールする。
「ええっ?(教師とクラスメイト揃って)」
「あ〜!教室にノラ犬がぁ〜!」
引き出しに隠してあった犬を放つカナメ。
ワンワンッ!ギャンギャンッ!
ザワザワザワ…
教室内の視線は、囮に向かう。
「ホッ…」
胸をなで下ろしていると…
ガルルッ!バキバキバキッ!
ロッカーを破壊し、死体を引きずり出す犬。
「犯人は、その女だ。」
二本足で立ち上がり、カナメを指差す…人語を解すノラ犬だった。
「イヤぁ〜!ノラ猫がぁ〜!」
引き出しの中から、猫を放り出し撹乱するカナメ。
「イヤ…往生際悪いやろ。」
アホらしくなる犬。
「イヤ、何で大阪弁やねん。」
「お前がな…」
カナメのツッコミに、逆に返す犬だったとさ…




