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次回更新は4月25日(土曜日)21時台の予定です。
今後も読みに来てくださると嬉しいです。よろしくお願いします。
オレは自室のベッドの上に寝転がっていた。
あのあと、サラが用件を伝えフランクが家に持ち帰ると受けた。そして、ちょっと雑談して話は終わった。オレには正直よくわからんが、子供同士の話から始まったのか、それとも家同士の話から始まったのか、で貴族的には少し意味合いが違ってくるらしい。フランクがそう言ってた。ふーん、って感じだ。
ああ、あと、エリックのバカが昨晩は家に帰らなかったらしい。アイツ、オレと別れた後、どこに行ったのやら。……まさか、オレを差し置いて、エッチなお店とか?有り得るな。クソっ、オレもまだ行ったこと無いのに。なんて羨ま……けしからん。おお神よ、エリックがヘンな病気でも貰いますように。
それは置いといて、当然だが、父上には報告しといた。そしたら、結構あっさり「そうか」で終わった。ついでに、オレの「それだけ?」って顔に気付いたらしく、「お前、興味ないだろ?」とも言われた。いや、まぁ、確かに政治的な話に興味はないけど、一応ちょっとした好奇心はあるんだよね。すると、あまり聞きたくなかった話を聞かされた。好奇心は猫をも殺すってやつだ。どうも第三王女が政治的な立場を完全に失くしたらしい。……しつこいようだけど、オレのせいじゃないよね?
まあ、可哀そうだな、とちょっとだけ思わなくもない。
とはいえ、第三王女は今回の人生では関わり合いになりたくなかった人間の一人だった。まぁ、いろいろあったからな。そのなかでも、今だに強烈に覚えている出来事が一つある。
あるとき、学園の王家のサロンで王女とエドの会話を盗み聞きしてしまったことがあった。というか、オレがその部屋のソファーに寝転んでウトウトしていたのが見えなかったんだと思う。で、オレがいることに気づかず二人が話し始めた。
「今日、校庭で平民の学生とウチの者が揉めているのを仲裁したよ。一度、エリザベスの方から注意しないといけないかもね」
「誰?」
「デレク・ジュライフィールドだよ」
「ああ、あのアホね」
「王女殿下?」
「あら、失礼。それで、何が原因なの?」
「下賤の者が許可なくオレの前をうろつくなとか喚いてた」
「はぁ、ホント最低ね。……わかったわ。言っておくわ」
「よろしく」
「ジャスティンさんとトリスタンさんはまともなのに、なんでなのかしら?」
「……デレク殿は親の爵位しか自慢できるものがないから」
「フフン、何もできない残り滓だものね」
「辛辣だな」
「そりゃそうでしょう。どれだけ王党派の評判を下げれば気が済むのかしら。……ああ、でも、女子の胸をチラチラ見るのは得意ね」
「バレてんじゃねーか。下手クソだろ」
「フフフ、そうね」
このときのオレの顔は真っ赤だったと思う。あまりの屈辱でね。つーか、当時は認められなかったけど、いちいちごもっとも過ぎるな。ただ、そんなことより、これで第三王女が嫌い……、というか怖くなったんだよな。だって、王女とは子供のころから王党派の家のパーティーなどでちょいちょい会っていた。いつもニコニコとオレに笑いかけてきて、オレ的にはオレのこと好きなんじゃねーかと思っていたくらいだった。それがこれだ。しかも、この会話の後も王女はいつも通りの笑顔でオレに話しかけてきたからね。いや、貴族ってそういうものだとは思うよ。腹芸ってやつだ。でも、前のオレも薄々気付いていたし、今のオレは完全に気付いているけど、そういうのオレには向いてないわ。オレが海賊派の連中といて居心地がいいのは、アイツらはオレに気に入らないところがあったらハッキリとそう言うだろうなという信頼感があるからだと思う。いちいち、ホントはどう思ってんだろう?とか考えずに済む。一緒にいて楽なんだよね。
てゆうか、王女とエドって付き合ってたのかな?他に人がいるときには見せない気安さがあのときの二人にはあったと思う。「エリザベス」呼びだからねぇ。かなり驚いた記憶がある。……いや、でも、ないか。さすがに正騎士爵のチェイス家に王族が嫁ぐとかあり得ないわな。
そんなことを考えながら、オレは寝た。
翌朝のことだ。オレとマリアが屋敷を出てしばらく行くと、貴族家に出入りする商家の配達人みたいな男がオレたちのところに寄って来た。マリアがオレの前に出る。オレも右手を腰の剣にやりながら、何の用だ?と思っていると、「大変失礼ですが、デレク・ジュライフィールド様ですか?」と聞かれた。「そうだけど」とオレが応えると、「ちょいと頼まれまして」と言って、男はマリアに結び文を差し出した。別に危険はなさそうなので、「ご苦労さん」とオレが言うと、マリアがそれを受け取った。男はヘコヘコと頭を下げて去って行った。
その文を開けてみると、レッド通りのとある店に来てほしい旨が書いてあった。レッド通りとは健全ではないお店が立ち並ぶ通りだ。差出人はエリックだった。




