表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/52

3-8

 オレはルンルン気分で帰宅した。いろいろあったが、結果として素晴らしい一日となった。あのあと、リナとディナーも食ってきた。超おいしかった。


 さて、あとは父上に必要最小限の帰宅の挨拶を済ませ、速攻で自分の部屋に行きたい。挨拶や班のこととか諸々はまた今度だ。今日はこの浮かれた気分のままベットに入りたかった。


 出迎えの使用人に父上の居場所を聞くと、食堂にいるらしい。遅い夕食だ。仕事があったのかな?とりあえず、食堂に行くと、兄上も一緒にいた。クソっ。


 兄上がめっちゃ険しい顔でオレを睨んでいる。ああ、嫌な予感がするわ。何か兄上が言いかけたのを制し、父上が言った。


「随分遅かったではないか。食事は?」


「はっ、済ましてきました」


「ほう、……一人でか?」


「いえ、友人とです」


 これに父上がやけに食いついてきた。


「どちらのお家の方か?」


「リナ・ロウです」


「ほほう、どこの店に行ったんだ?」


「魔獣肉のロックスです」


「……ふむ、知らんな。うまいのか?」などといったやり取りをしていると、兄上が焦れたように「父上」と言った。


 すると、「うむ」と父上は少し居住いを直した。


「第三王女殿下に挨拶に伺ったのか?」


「……いえ、今日は知り合いに呼び止められたりして、時間がなくて」


 ダメだ。浮かれ過ぎて、まだ言い訳を考えていない。この計画性のなさよ……。つーか、バレてんのか?マリアか?……まぁ、しょうがねーか。詰められたら、答えるしかないわな。んっ?でも、それなら、リナと飯食ったのはわかるだろうに……。


「へぇー、時間がないか。ホワイトバーン家のジョナサン殿に怪我をさせ、そのあとは女と遊びに行く時間もあったようだがな」


 兄上が口出ししてきた。オレが黙って兄上の方に目をやると、父上が一瞬顔をしかめたのが目の端に映った。なんだろう?兄弟喧嘩にうんざり?兄上の言い方か?オレの態度か?まぁ、でも、バレたのは兄上経由だなと思った。多分、兄上も今日学園に行ったんだろう。


「明日にはちゃんと挨拶に行っておけ」


 父上はジョナサンのことはスルーしそう言った。オレは「はい。申し訳ありません」と謝っておいた。だが、父上がブッ込んできた。


「なにやら王女殿下はお前の剣の腕に興味津々のようでな。「是非、一緒の班で」などと言っておられるそうだ」


 うおーい、マジか……。最悪だ。どう考えても、これは今、此処で言っとかないとマズい感じだよな。オレは覚悟を決めた。


「……実は、班はリナ達と組むことにしまして」


「なんだと。ジュライフィールド家は王党派の武官系筆頭だぞ。そんなこと許されるか」


 兄上がキレた。


 あーあ、せっかくいい気分で帰って来たのに……。


「いや、もう約束してしまいましたので」とオレが言うと、「断ってこい」と怒鳴られた。さすがにイラっとしてきた。


「いやいや、一度した約定を破るなどジュライフィールド家の沽券にかかわります」


 「ふざけんな」とまた怒鳴られる。にらみ合いになった。とそのとき、兄上が少しひるんだような顔を見せた。ん?何?とびっくりしたが、すぐピンときた。これが剣気か。へー、と全く関係ないことに気を取られていると、父上が静かに言った。


「二人共、やめよ」


「しかし、王党派筆頭として示しがつきません」


 なおも兄上が言い募る。


「別にいいではないか。班ぐらい、好きな者と組めばよい。……それに、あまり王党派、王党派と言うな」


 んんん?いいの?えっ?意外だ。……というか、父上は派閥にこだわってないのか?


 オレがそう思っていると、兄上が立ち上がり、「少しは強くなったようだが、中身は変わらんか」と吐き捨てて食堂を出て行った


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ