魔力
「助けることは全然いいんだけど...」
「けど?」
僕と海は同じことを考えていた。
果たして僕らに四天王を倒せるほどの実力があるのだろうか。
ウィンディを悲しませたくはないが、救える保証がない我々は断る手段を取るべきだと思う。僕らは黙り込んだ。ウィンディはとても不安そうだ。
「うーん...。ウィンディさん。言いづらいけど今回ばかりは難s...」
「海と蓮なら倒せるぞ」
「わあ!?」
「?」
突然声がした。聞き馴染みのある声だ。
ウィンディはきょとんとしている。そうこの声の主はローズさんだ。
「ローズさん!?」
「2人とも驚きすぎ。蓮うるさすぎ」
「そりゃ驚くでしょ。どこにいるんですか?」
「念力使えるギリギリの距離にいる」
「蓮。もっと気になることがあるでしょ?倒せるってどういうことですか?」
「さすが海ちゃん。そういうことを聞いて欲しいのよ。さっきも言った通り、あなたたちは四天王を倒せるほどの実力を持っているわ。私と互角に戦ったこと、覚えてる?」
「それは覚えてますけど...」
「そういうこと。私が保証する」
僕らは顔を見合わせた。
「じゃあ、僕らローズさんの言うこと信じますよ」
「ありがとう。自信持ちなよ。怖気付くな。あなたたちは強い。じゃあ私帰るね」
「ありがとうございます。ローズさん」
ローズさんに認められたんだと思うと、自信がみなぎってくる。
「あっ。待って!」
「どうしたの?海ちゃん」
「メアと戦ったことありますか?」
「ない」
「えぇ...」
「でも、騎士秩序...。あいつら魔王なのに、騎士なんか名乗りやがって」
「なんで急に名前の違和感を訴えるんですか?」
「自分で魔王の組織名を言ってみて矛盾してるなって思ったから」
「確かにそうですけど」
「そう。で本題なんだけど、魔王たちは私たちの使う神力と違って魔力と言うものを使ってくる。彼らは悪魔だからね。例えばあのメアというやつ。あいつは略奪の魔力を使う。とにかく何もかも奪うんだ。人も、物も、地位も、権力も。ただ、大きいものを奪えば奪うほど、自分への反動も大きい。そこが弱点ね」
「あいつらは魔力を使うのか...」
「よく考えて戦うのよ。じゃあ帰るからね」
プツっと通信が途絶えた。
「あの...。ウミさん、レンさん。何を言いかけたんですか?」
「ウィンディさん。さっきのは忘れてください」
「え?」
「僕らでワシガ村を救ってみせます」
「本当ですか!?勇者パーティーのお二人!本当にありがとうございます」
ウィンディの表情の霧は晴れた。そして満面の笑みで僕らに深々と頭を下げた。
「いやいや。頭を上げてください!」
「いや。そんなわけにもいかないですよ。あっそうだ!僕に手伝えることはありますか?」
「うーん。特にないかな...」
「そうですか...。ちなみに僕、バフがつく料理作れます」
「採用」
ウィンディ即参戦決定。




