↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何があっても、友でいてくれ  作者: 中原九尾
第2部 それぞれの飛躍と挫折編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/93

第33話 仲間集め

 事業として本格的に運営していくと決めてから、僕が最初にぶつかった壁は、「一人では、もう限界だ」という現実だった。


 開発、サーバー管理、ユーザー対応、そして今後のデザイン面の改善。全てを一人でこなすのは、物理的に不可能だった。


     *


 まず必要だと感じたのは、経営やマネタイズの知識を持つ人材だった。


 急増したユーザーを維持しながら、どうやってサーバー費用や運営コストを賄っていくか。学生の僕には、その知識も、ノウハウも、ほとんどなかった。このままでは、せっかく集まった熱量を、いずれ資金面で潰してしまいかねない。


 思い切って、SNS上で、一緒に運営に携わってくれる人材を募集してみることにした。「一緒にこのサービスを育てていきたい人を探しています」という、率直な呼びかけだった。


     *


 反応は、予想以上だった。


「Suki」の理念に共感してくれたという、同世代のエンジニアや、マーケティングを学んでいる学生、さらには、すでに社会人として広告業界やIT企業で働いている人まで、様々な立場の人間から連絡が来た。


 中には、以前スタートアップでマネタイズ設計に携わった経験があるという社会人の方もいて、その人には、広告モデルや、将来的な有料プランの設計について、色々と助言をもらうことができた。


「まずは、ユーザーの熱量を落とさない範囲で、無理のない収益化を考えましょう」


 その言葉に、僕は何度も助けられることになった。


     *


 こうして、僕一人だけの、いわば趣味の延長のようなプロジェクトが、少しずつ、組織としての形を持ち始めていった。


 エンジニア、運営、そしてマネタイズの知見を持つ人間。それぞれの得意分野を持ち寄って、サービスは少しずつ、安定した基盤を築いていった。


     *


「なんか、社長っぽくなってきたな、お前」


 久しぶりに会った大和が、そう言って笑った。


「まだまだ、そんな大したもんじゃないよ」


「いや、雰囲気変わったよ。前は、もっとおどおどしてたのに」


 その言葉に、僕は少し照れくさくなった。自分では気づいていなかったけれど、確かに、以前よりも、人前で話すことへの抵抗が、薄れてきているように感じた。


     *


 スタッフが増え、組織が大きくなるにつれ、僕自身も、「経営者」としての顔を、少しずつ身につけていかなければならなくなった。


 メディア対応、資金繰り、スタッフのマネジメント。学生時代には想像もしていなかった仕事が、次々と降りかかってきた。


 それでも、不思議と、辛いとは感じなかった。同じ理念を共有する仲間たちと、一つのものを育てていく。その手応えが、何よりの原動力になっていた。


 この時の僕は、まだ気づいていなかった。


 こうして名前が知られ、規模が大きくなっていくことが、やがて自分自身を、思いもよらない危険に晒すことになるとは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。