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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
4章 学院に吹く風

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93/105

93.四年生の始まり

 かくして、いよいよ四年生の始業式の日を迎えた。


今年のクラスがどうなるか心配していたのだが、久しぶりにシルフィンと一緒になった。

その他にマッド、リーネとも同じクラスになった。

何気に全員違う天賦持ちである……私とシルフィンは同じだが。


 シルフィンは二人とさっそく打ち解けていた。

「アリアの友達なら!」とのことで、今でも彼女の明るい性格は健在のようだ。

こういう性格の子なら、いじめられたりすることも少ない……と思いたいが。


なお、リーネはシルフィンのことが妙に気に入ったらしく、さっそく今度の週末遊ぼうと計画を立てていた。

その中には当たり前のように私も入っていた。


もちろんそれはいいのだが、都合がいいかどうかも聞かずに「今度の週末、シルフィンと遊ぶからあんたも来てよね」なんて言われるとちょっと困る。

私に何か都合があったら、どうするつもりなのか。




 昼休みに、私は学院の中庭で雑草を適当に抜いて集め、昨日母から教わったばかりの魔法を使ってみた。

私は昨日十二歳の誕生日を迎え、そのプレゼントとして新たな魔法……「ラパタート」を教わったのだ。


これは「ある物質をまったく別の物質に変換する」、俗に言う錬金魔法の一種で、任意のものを「自分が必要としているもの」に変えられる。

ただし、この魔法が効果を発揮するのは一日に一回だけだ。


そしてその「必要としているもの」には、自覚していないものやこれから必要になるものも含まれる。

つまるところ、何が出来上がるかはやってみるまでわからないと言ってよい。


 昨日試してみた時は、古い紙が手鏡に変わった。

これが必要になるの?と思ったが、母曰くこの魔法に間違いはないそうなので、とりあえず学院に持ってきて今もバッグに入れている。


で、今回はどうなったかというと……雑草の山が、牛乳瓶のような水入りの瓶に変わった。

これまた何に必要になるのかわからないが、とりあえず持っておく。


 と、その数秒後にニールが喚きながら走ってきた。

私を見るや否や助けを求めてきたが、それだけでは何があったのかわからない。


しかし、彼の腰を見て驚いた。

なんと、火がついていたのだ。

咄嗟にさっきの瓶を開け、水を勢いよくかけて火を消した。


一体何があったのかと聞いたところ、廊下を歩いていたら突然服に火がついた。

振り向くと「火打芋虫」がおり、虫が苦手な彼は咄嗟に逃げ出してきたのだという。


 その虫の名前には、聞き覚えがあった。

一見するとごく普通の芋虫だが、外敵に遭遇したり刺激を受けると体を大きく持ち上げ、見つめた一点を発火させるという攻撃手段を持つ。

その特性から火打芋虫と呼ばれ、突然服や体が発火する恐ろしい現象を引き起こす害虫として知られている。


学院にそんなものが入ってきていることに驚いたが、そこで私は気がついた。

この虫は「見つめた一点を発火させる」、つまり見たものを燃やすという能力を持っているが、自分はしょせん虫なので火には弱い。

それを利用し、離れて駆除する際には鏡が使われる。


「その虫、どこで見た?」


「そこの廊下の十字路を右折して、すぐの壁だよ。左の壁の下の床にくっついてた!」


「わかった……ちょっと待ってて」



 廊下に入り、十字路の前まで歩く。

そしてそこで手鏡を出し、しゃがんで通路の角から鏡だけを覗かせる。

これで上手くいくかな……とちょっと心配だったが、10秒ほどして何かが発火したような音がした。


そこで顔を出すと、左側の壁のすぐ下の床で炎に包まれている物体があった。

どうやら、上手くいったようだ。


 火打芋虫は「見つめたものを燃やす」という能力があるが、鏡などでその対象が自分自身になれば自分が発火する。

要するに、メデューサなんかと同じ対処法だ。


この虫は体が小さいので、一分もしないうちに燃え尽きて灰となった。

私はニールを呼び、その灰を見せてこれでもう大丈夫と言った。


「よかったあ……ありがとう、アリア」


「ううん、いいのよ」


それにしても、まさかこんな形で手鏡が役に立つとは。

昨日の魔法、そして母の言葉に間違いはなかったようだ。

これからも、この魔法を使っていくようにするといいかもしれない。

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