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灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
3章 闇と炎は何を紡ぐ

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82.露見と内通者

 図書館での一件があってから、私は生徒たちの杖を注意して見ていた……のだが、それも長くは続かなかった。


もちろん、何の理由もなしにやめたのではない。

生活魔法の授業の時に、たまたま見つけたのだ……カルディーンの杖を持つ、紫髪の生徒を。


 それが誰だったのかは、もはや言うまでもないがマッドだ。

ただ一応、他に候補がいないかどうかは調べてみた。


雨上がりの昼休み、誰もいない中庭で「葉っぱの占い」をやってみた。

これは「水面に異なる大きさの葉っぱを2枚浮かべる」という準備をして行う簡易的な占いなのだが、その結果に嘘はない。


「私のクラスに、カルディーンの杖を使う闇の天賦を持つ生徒は、マッド以外にいる?」


 そう訪ねて杖を水たまりの水面に向けると、小さい方の葉っぱがくるくるまわって水中に沈んだ。

この占いは俗にいう「○×占い」であり、これは「いいえ」「×」を意味する挙動である。


この際、ついでにいくつかの質問もしてみた。


「この前、図書館で私を襲ってきた本に魔法をかけたのはマッド?」


「マッドは、私を学院から排除しようとしてる?」


 それらの質問には、大きい方の葉っぱが回転してから沈んだ。

これはさっきの逆、「はい」を意味する動きだ。


「……やっぱり、そうなんだ」


私は杖の先端で水たまりの周りをくるっとなぞって一周し、改めて水面に向けて「占い、終わり」と詠唱した。

これにより、水たまりもそこに浮かべた葉っぱも普通のものに戻る。そこで誰かが占いをしたことなど、わからなくなるのだ。




 その日の放課後、私は廊下で恐ろしいものを目にした。

なんと、ニールがマッドに詰め寄られていたのだ。

まだ手を出されてはいないが、明らかにヤバそうな雰囲気だ。


一応、柱の陰に隠れて会話を聞いてみた。


「お前を信じたのが悪かったみたいだな。お前は結局、あいつのスパイだったんだろ?」


「違う!僕は……みんなのためを思うからこんなことをしたんだ」


「へえ?そりゃどういうわけだ?」


「こんなこと、絶対に間違ってる。あの子に思うことがあるなら、直接面と向かって言って、清算するべきだと思う。こんなことをしても、何も変わらないし誰も救われない!」


「それはそうだな。少なくともお前は救われない……」


不穏なセリフの直後、ニールの焦る声が聞こえた。


「こんなことするつもりなかったが、あの女より先に消えてもらおう……この学院からな」


 私は思わず飛び出し、杖を構えて小声で「エディクリム」、発火魔法を唱えた。

それでマッドの服に火をつけ、彼が驚き慌てている間にニールが逃げ出したのを確認し、自分も場を後にした。


今回は、あくまでニールを救うために魔法を使っただけだ。

マッドは……まあこのままにしてはおけないが、それでも今は何もしないでおく。


彼が転生者であれ、そうでなかれ決着はつける。もうすぐ近いうちに、必ず。

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