↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灼炎の転生魔女 〜異世界で始めるいじめ復讐〜  作者: 明鏡止水
3章 闇と炎は何を紡ぐ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
77/104

77.ニールの警告

 夏休みが開けてすぐの休日、ニールが家に訪ねてきた。

別に特別親しいわけでもないのに、なぜ?と思ったが、彼は珍しく真剣な顔をしていた。


とりあえず自室に通したが、ニールは部屋の中を少し見回した程度で、すぐ本題に入ってきた。


「アリア、もう学院に行くのはやめたほうがいい」


 思いがけない言葉に声を出して驚いたが、その理由は鬼気迫るものだった。


「君は、マッドに狙われているんだ。このままいれば、ケガではすまないかもしれない!」


「マッドって……マッド・ハーロウのこと?」


それは、うちのクラスにいる男子生徒の名。

ニールと同じように闇の天賦を持ち、強気で積極的な姿勢と優れた成績、とことんポジディブな性格でスクールカーストの最上位に君臨する、クラスのボス的な生徒だ。


ただし暴力的なのか、態度がでかいのかと言うとそんなことはない。

少なくとも、誰かをいじめたり積極的に攻撃したりといったことをした過去はないと聞く。


だから私も、彼を特別警戒したりはしていなかったのだが……。


「そうだよ。この前の放課後、あいつとウィローが教室で揉めてるのを聞いたんだ。ウィローは、マッドに脅されてた……六月の決闘の時、自分がウィローを操ったことを誰にも言うなって!」


 六月の決闘、と聞いてすぐにピンときた。

最初の授業……ではなく、その後ウィローが私にリターンマッチを挑んできたあれだ。

あの時私は、初手で奇妙な魔法を食らって場外に吹き飛ばされ、敗北した。


「じゃあ、あの時ウィローはマッドに操られてたの?そんなこと、どうやって……」


「それはわからない。でも、僕は確かに聞いたんだ。ウィローは、マッドに操られたことを後になって知った。それでずっと、あいつに事情の説明を求めてたんだけど、詳しい話をしてくれないから、先生に言いつけようとしてたんだ!」


「それで、その口を塞ぐために脅しを……」


「それだけじゃない。アリアは夏休みの前に、学院の裏の森でジェキリに襲われたことがあっただろう?」


 確かにそうだが、なぜニールがそれを。

あの時は私と母しかいなかったはずだし、学院にもこのことは言っていなかったはず。


それを言ったら、ニールはあの時遠くから見ていたと自白した。

彼はたまたま学院の近くを通り、森の中に向かっていく母の姿を見かけた。物珍しさにその後を追っていき、私がジェキリに襲われているのを目撃したらしい。


「そういえば、なんであんなところにジェキリが……まさか、あれもマッドの仕業だったの?」


「昨日の放課後、マッドが机の上に忘れていった日記に書いてあったんだ。『ジェキリはダメだ。炎を受けても問題ない方法を考えよう』って!」


 それだけでは証拠として弱い、と言いたいところだが、ジェキリは学院ではまったく触れたこともない植物だし、マッドの両親は魔法植物を研究していると聞いたことがある。


日記の書き方からすると、マッドは私がジェキリに襲われている時もどこかで見ていたのだろう、とニールは述べた。


「あいつは前々から、アリアを狙っているフシがあった。アリアが授業で目立つたびに嫌そうな顔してたし、ノートに魔女の絵を描いて、それにバツをつけるなんて落書きをしてたのも見たことがある!」


 これだけ聞いても、まだ決定的な証拠とはならない。

というのは客観的な話でしかなく、感覚としては私が狙われているということには確信に近いものを持てる。


さらに、ニールによると彼はどうも私が気に入らないから狙っている、というわけではなく、いじめようとしているのとも違うらしい。


「マッドは、アリアに何か特別な感情があって、狙っているみたいなんだけど……とにかく君を学院から、ひいてはこの世界から追い出そうとしてることは、間違いないんだ!」


 信じられない……いや、信じたくない。

これまで特別接点はなかったにせよ、話すことがあれば普通に反応していたし、手を上げてくることもなかったマッドが、そんなことを……。


いや、でも。

そういう皮を被っている奴こそ、裏で何を考えているかわからないし、ある時急に本性を現すかもしれない、ということはよくわかっている。


 確証は持てないが、どうもニールが嘘を言っているようには見えない。

彼を信じてよいのだとすれば、私のすることは……。



「わかった、情報をありがとう。ひとまず、あさってから学院に行くかは考えてみるよ」


「そうしてくれ。一応言っておくけど、僕は嘘は言ってないよ……絶対に」


「もちろん信じる。でも、どうして?あなたはマッドと仲がいいでしょ?」


「仲がいいからこそだよ。こんなことを許せば、やがてはもっと大きなことをあいつはやる……そんな気がするんだ」


 その予感は当たっている、というかあながち間違ってはいないと思う。

誰かを攻撃して潰したら、その後は必ず次の標的を探し、また同じことをする……それが人間というものだろう。

まあ、私たちは魔法使い……人間の亜種に近い種族なのだが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。